年別アーカイブ: 2015

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望まれない変更

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我が校の生徒会長シンゾー君のひとり善がりが校内をざわつかせています。 非暴力を謳った校則は変えられないけれど、何か都合の悪い状況になったときには武器を持って戦えるように、生徒会だけで行動指針を決めてしまいました。一般の生徒には詳しい話をしないまま、先日は米國高校へ出かけて番長の小浜君に約束してきました。 「今後もし喧嘩があるときは、今までのようにお金だけを出すのではなくて、武器を持って後ろから付いて行きます。」・・と。 子供の頃から、僕は弱虫なんかじゃないと言い続けたシンゾー君には信念があります。 「敵が攻めて来た時には話し合いなんか約に立たない。自分よりも強そうだから仕掛けても勝てないと思わせることが肝心。それが結果として争いを避ける唯一の方法なんだ。」 そう言いながらも心の底では半信半疑。 「もしかして本当に揉め事が起きたら犠牲者が出るかもしれない。でも今そんなことを言ったら小浜君との約束が守れなくなるかも。役員会を多数決で乗り切るまではトボケとくのが得策だ。」 敵って誰のことですか? 「決まってるじゃないか!となりの国中高校と朝北中学だよ。こっちが腰抜けだと奴らに見抜かれたら何を

狩場山直登沢

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本業は登山家・・といえるほど山に時間を使っている知り合いの新聞記者さん宅から、ギョウジャニンニクのお裾分けを頂いた。 聞けば道南の最高峰狩場山に登ったついでに採ったとか。後日、本人に会う機会があってちょっと立ち話。 「いやア、このあいだはごちそうさまでした。狩場ですか、いいですねえ。俺も狩場が好きでねえ。とくに初夏の直登沢が好きで3回も行きました。」 「その直登沢ですよ、今回登ったのは。」 「えっ、そうなんですか。今ならまだ沢は雪で埋まって滝壺も雪の下だし、アイゼンも効いて気持ちいいでしょう。」そんな話の後で沸々と沢登りの記憶が蘇ってきた。左からの沢が合流した先で残雪が多くなり、水の流れを足の下に感じながら雪の上を行くと滝が正面を遮る。右手の壁をへつった先は6月末までなら大きな雪渓が続く。この沢の最初の一滴が滲み出す源頭を越えると、アオノツガザクラやコケモモのヒースが広がり、やがて斜面はなだらかになって頂上近くの登山道を踏みしめることになる。 そう、この沢には沢登りの最後の詰めにつきものの、急で危ない草付きも、崩れやすいガレ場も、視界を遮るヤブコギもないのだ。この画像はもうずいぶん前

雪の蔵

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今年も無意根山の残雪が光る季節になってきました。 晴れた日の朝、この山の白さが目に入る度に清々しさが、そしてそれと共に感謝の気持ちが湧いてきます。 真夏の7月に白さが無くなるまで、大量の水が雪のかたちで山肌に残り、梅雨のない札幌の街に水不足をもたらすことなく、少しずつ解け流れては下流域を潤してくれます。 真夏になって全ての沢筋から雪が消えても、地中にもぐった雪解の水はゆっくりと時間をかけて山裾に滲み出してくれるのです。 そのおかげで大都市札幌に水飢饉が無いのだということを、この街に住む人々のうちどれほどの人達が意識しているでしょうか。 この街を囲む山々は、今年もたのもしくそこにあって、新緑の下界を見下ろしています。

ヘビだって恋する初夏

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どうも毎年この時期がヘビたちの交尾期になっているようです。 去年もそうでした。想い返すと5月の末から6月の半ばまでの暖かい日、毎年必ず一度や二度はテレビの裏側の暖まったスペースで濡れ場を演じてくれます。 2012年6月19日に書いたような3匹が団子のように絡まりあっての狂気じみたものではありませんが、聞こえてきた耳慣れぬ音の元を探ると、今年も新しいカップルが真剣な生殖行動に精を出していました。二匹とも1メートル弱とほとんど同じ体長で、緑色の体色が美しく若さみなぎるアオダイショウです。 大きさの割にはおとなしく、襲いかかってくることはないとはいえ、そのままにしておくと何時までも退散してくれそうにないので、2匹の首を一緒に捕まえて表の草わらで続きに励んでもらうことにしました。子供の頃からの顔なじみではあっても、アオダイショウの詳しい知識がないことに気付いてちょっと調べてみました。 やっぱりこの時期が交尾期で、7月頃に4から10数個の卵を産み、9月頃には次々ふ化し始めるようです。昼行性で琉球をのぞく日本全土だけに棲息し、主食はネズミや鳥の卵で、大きいものでは胴周り5cm全長2メートル、寿命

500本の色鉛筆

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いっときの主役だったサクラやコブシが舞台下手の袖に引っ込むのを待っていたかのように、その他大勢のあらゆる樹々の若葉がいっせいに萌え出しました。 毎朝目にする道沿いの山も、モコモコモコモコと膨らんでいます。 テキトーな写真で伝わり難いけれど、力強く濃い緑から、目の奥まで刺さる明るい萌葱色まで、<新緑>と一言で表すにはあまりにたくさんの緑たち。 それに、一日といえず変化する山肌の色合いを見ていて思いました。 『う〜ん、絵心さえあればキャンバスいっぱいにいろんな緑を乗せてみたい。』 そんな残念な気持ちの裏手から、ふと曖昧な記憶が顔を覗かせました。 『500色。うん、たしか500色だ。500色のクレヨン?いや色鉛筆だったかな。そんなのがあればぴったりの緑がたくさん見つかるかな。』で、ネットで探したらすぐにヒット。フェリシモという会社から発売されている500色の色鉛筆でした。 黄緑よりも黄色い萌葱色から、海の底のビリジャンのような重い緑まで、いろんな緑が100本はあるでしょうか。少しずつ色目を変えながら並んでいる色鉛筆を見ていて、その1本1本に名前があることに気付きました。 <ゆでたてのさやえ