年別アーカイブ: 2015

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医者はヒトなり

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医者もまた人なり。 患者として医者に接する時、ともすれば自分よりも程度の良い人間と位置付けがちだが、いやいや、それはこちらの勝手な思い込みに過ぎないと、あらためて医者自身が教えてくれた。そもそもは先月半ばに始まった。普段は使っていない眼鏡が視力に合っているのか不安だったし、右眼の視界の下の方に小さい影があるのも気になって、自宅の近くの眼科医を訪ねることにした。幾つかの検査をして、眼鏡の度数は問題ないこと、右眼の影は眼底出血なのでレーザーで毛細管を焼く手術が必要という診断が出る。そして数日後に、網膜を広げる処置をしてレーザーによる網膜光凝固術を受けた。 しばらく休んだ後、出血を押さえる薬を処方され、それが無くなる2週間後に来るように言われて自宅に戻る。 そこまでは良かった。だが、眼があくようになると視界の下半分近くが見えない。時計の針で表すと3時45分の位置から下の部分が黒く、中心付近が歪んで見える。TVで歌う美少女の顔が、まるでムンクの叫びかゾンビのようだ。 それでも、当日は仕方ないものと思って2週間という時間を待つことにした。しかし、3日たち5日たっても変化の無い状況に不安は増幅し、

鹿肉パーリー

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この時期としては久しぶりに、ほんとに久しぶりに仲間が集まりました。年の瀬を控えて、それぞれが何かを抱えて忙しないことでしょうが、「Mさんが鹿の足を1本持って来る」との情報に、予定を変えてまで大人と子供14人が山の工房へ来てくれました。充分に塩を擦り込んだ柔らかい肉は、焼けるはしから削ぎ取られ、たちまちみんなの胃袋に納まっていきました。 思いついてカメラを構えた時には、ほとんど食べられたあと。その後も薪ストーブを囲みながら宴は続き、仕事のこと、子供のこと、健康のことなど、未明にそれぞれが寝つくまで話題が途切れることがありませんでした。 工房の柱には、この20年余りの間の呑み会に来た、たくさんの大人や子供の身長がビッシリと書き込まれています。「うわっ、オレちっちぇえ。いくつの時だ?」「いやア、こんなに小さかった娘がママになってもう2人目だよ。」 大人の身長には変化も興味もありませんが、子供たちが一年ごとに大きくなるのを、たくさんの数字の中から見つけ出すのは感慨深いし、みんなが笑顔になれるものです。この工房の周辺で、おおぜいの子供達が四季折々の自然に溶け込んで過ごしてくれたことは、自分一人が

思い立って、思いきって、

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<ANA羽田・シドニー直行便12月就航記念オーストラリア6日間の旅>の見出しを見つけた家人が、「申し込んでみようか」と、ぽつりと言ったのはたしか9月の初め頃だった。すぐにネットで申し込んだらしいがキャンセル待ちを告げられ、現実味が薄いまま日を過ごすうち、ふいにキャンセルが出たとの知らせ。 留守中の事、この先のことを考えて躊躇はしたが、結論は「じゃあ、思いきって行って来るか!」だった。ずっとまえから、時間をたっぷり作れたら、若い頃にアラスカをカナダをメキシコを走り回ったように、オーストラリアのアウトバックを思う存分クルマで走ってみたいと思っていた。思ってはいたが、それは具体性の無い漠然とした希望で、それは、いうなればあのころへの追憶を含んだ負け惜しみだったのかもしれない。で、この度のシドニー行き。2日のフリータイムにはレンタカーを借りてちょっとでいいからアウトバックに身を置いてみよう。 そんなプランは、資料を検討する内にあえなく潰えることになる。オーストラリアはあまりに広い。1日や2日走っても行き着いて帰って来られるものではなかった。最低でも1週間くらいは必要だ。 そうだ、この時期なら

40年目のハネムーン

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あれはまだ国鉄の頃だったろうか、それともすでにJRに移行していたのか、山口百恵が歌う<いい日旅立ち>をテーマに、デイスカバージャパンのキャンペーンがその頃この国を覆い包んだ。たしかフルムーンというワードもその頃から使われ出したように思う。 そのころは、そんな世界はあまりに遠すぎて、自分にはまったく関係ないとさえ感じていたのだが、いやいや、知らない間にそのフルムーンの歳になっていたとは・・。決して直線ではなかった。文字通り<曲がりなり>に子育てを終え、身体のあちこちに軋みが目立つようになった今、ふと歩みをゆるめて旅行にでも行ってみようかという気になった。「40年ぶりだね、ふたりで旅なんて。」と話しかける家人の声が、年齢以上に軽やかだったからだ。 40年はオーバーだが、ふたりでアメリカ大陸を4万キロも旅したのは、子供が産まれる前だからもう38年もの昔になってしまった。そして昨日、6日間の旅を終えて夏のシドニーから吹雪の札幌へ戻ってきた。もう何年か前なら、返事もせずに首だけを横に振ったと思う。「旅行会社のツアーなんてそんなもの旅じゃない!」と、相手の心さえ見ないようにしながら、自分自身の義務

大雪

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12月7日は二十四節気の大雪(だいせつ)。だからという訳ではありませんが除雪機を出すほどのけっこうな降雪でした。 先月の24日にいきなりド〜ンと来た雪は、それからも氷雨になったりこやみになったりしながら降り続き、ウンザリするような日の連続でしたが、昨日今日は穏やかな天気に戻って落ち着いた冬景色が広がっています。積雪状態が2週間以上続くと、その後の雨や暖気などで融けたとしても、その降り始めの日が<根雪の初日>と定義されるということですから、今年は例年よりも2週間ほど早く根雪になってしまいました。エゾリスがドングリの隠し場所を雪の上から確認しようと走り回り、カケスがうるさくつきまといます。ヒグマはうまく冬ごもりができたでしょうか。 工房横のハスカップの雪囲いも間に合いませんでしたし、キノコの種駒を桜のほだ木に埋め込む作業もまだでした。他にもやらなければならないことやろうと思っていることはたくさんあったというのに・・。しょうがない、こうなってしまったからには、悪あがきはあきらめて冬を迎えましょう。