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狩場山直登沢

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本業は登山家・・といえるほど山に時間を使っている知り合いの新聞記者さん宅から、ギョウジャニンニクのお裾分けを頂いた。
聞けば道南の最高峰狩場山に登ったついでに採ったとか。後日、本人に会う機会があってちょっと立ち話。
「いやア、このあいだはごちそうさまでした。狩場ですか、いいですねえ。俺も狩場が好きでねえ。とくに初夏の直登沢が好きで3回も行きました。」
「その直登沢ですよ、今回登ったのは。」
「えっ、そうなんですか。今ならまだ沢は雪で埋まって滝壺も雪の下だし、アイゼンも効いて気持ちいいでしょう。」

そんな話の後で沸々と沢登りの記憶が蘇ってきた。左からの沢が合流した先で残雪が多くなり、水の流れを足の下に感じながら雪の上を行くと滝が正面を遮る。右手の壁をへつった先は6月末までなら大きな雪渓が続く。この沢の最初の一滴が滲み出す源頭を越えると、アオノツガザクラやコケモモのヒースが広がり、やがて斜面はなだらかになって頂上近くの登山道を踏みしめることになる。
そう、この沢には沢登りの最後の詰めにつきものの、急で危ない草付きも、崩れやすいガレ場も、視界を遮るヤブコギもないのだ。

この画像はもうずいぶん前のもの。もうこのボロボロの身体ではもう一度ここを歩くことは無い。でも嬉しいことにこの1枚だけで、ここまでの沢筋で見られるフギレオオバキスミレや、沢水の冷たさ、それに次の高巻きさえはっきり想い出せる。

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