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小さい秋みつけた

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長かった夏が終わり、大雪山からは2週間遅れの初雪の便り。しかし、寒暖差がそれほどでもないせいか紅葉前線はまだ高山に留まり、札幌近郊の里山にはしばらく下りて来そうもありません。工房のそばの古木の幹にやっとヤナギタケが出てきました。ヤナギタケとは俗称で、正式名はヌメリスギタケモドキといういかにも不味そうな名前。だけどコイツが美味いんです。味噌汁にも合うし、シイタケに代えてスキヤキや鍋物に入れるとまた絶品。さっとゆがいたものをきざんで大根おろしと和えるのもまた良し。市場にも出回らず、季節限定の付加価値と自ら採る楽しみを加えて、国内最大の菌メーカー<ホクト>にも、この手のキノコの魅力はとても真似できません。北海道では長いことラクヨウと呼ばれるイグチ科の茸が、秋のキノコの王様でした。 落葉松(カラマツ)の下に生えるこいつは食味もさることながら、タイミングさえ合えば落葉松林の足もとで大量に採れ、塩蔵による保存もできることから大いに親しまれてきました。落葉松は生長が早いのと、炭鉱の坑木需要が高かったことから離農跡地などで大量に植林され、全道どこにでもその林が見られます。ただ、現在では需要もなく、手

どこへ行くのォ

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あまりにも深く溜め息をついたせいでしょうか、一瞬、その底で息が止まるのでは?という心配がよぎりました。 昨晩、いつものように晩酌しながら夕刊を見ていたときのこと。見慣れた天気予報のマーク以外、1面はたった3つの大きな見出しとその記事で埋められていました。<大間原発の建設再開> 「2030年代の原発ゼロを目標として新たな原発は作らないが、すでに手を付けているものに付いては継続する」という、先日の枝野経産相の支離滅裂な発言を受け、福島の事故以来凍結していた大間原発の建設が動き始めました。これから作って運転を始めれば2060年まで使うでしょ。完全にロジックが破綻してませんか。旧態然と、立地自治体と周辺には金をばらまき、それ以外の30km圏内や国民の声は一切無視して、「安全が確認されたから」の一点張り。気の毒にも、福島の原発事故以来この国が変わろうとしている空気が読めないんでしょう。国民を欺いて運転を再開した大飯と名前は似ていても、大間はただの原発ではありません。世界初のフルMOX燃料仕様なんです。世界に先駆けてではなく、世界中があきらめたプルトニウムを燃やす原子炉が、どれだけ危険かは触れられ

鉱石ラジオ

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鉱石ラジオを知ってますか? そう、イヤホンで一人で聞くヤツ・・っといえば、若い人ならスマホ?もうちょっと年長者ならウォークマンでも連想するんでしょうか。 でも、電池も要らないんです。・・そんなのある訳ないと思うでしょ。電気がないのにどうして音が出るのか、そのメカニズムは別の機会に譲るとして。 あったんです! そのむかし・・。(今でもあると思うけど)<シャープ>の大規模なリストラのニュースが話題になっています。 「亀山モデル」の液晶TVをあれほど売りまくったのに、税金無駄使いのエコポイント制度が終わり、地デジに切り替わってしまうと、1万人単位の従業員がお払い箱だそうです。そのニュースに関連して<シャープ>の社歴をラジオで紹介していました。 その社名にまでなったシャープペンシルを大正時代に売り出すとこれが大当たり。続いて家庭用の鉱石ラジオ、それからテレビジョンと、世に出すものが次々とヒットして今に至ったとか・・。それを聞いていて思い出したんです、鉱石ラジオを。 後に普及した真空管式ラジオやトランジスターラジオよりも前の、昭和初期に一世を風靡したらしい音声を電気的に増幅させる大型の物ではなく

暖まる地球

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北極の海氷調査を終えた大学の先生から、帰国の知らせと共に氷厚測定の際の画像が送られてきた。先日来、衛星画像などで報道されているが、北極を覆う海氷はこの夏かつてないほど狭くなり、船による調査自体も大変だったようだ。砕氷船のクレーンから吊り下げられた、試行錯誤のオレンジ色の物体(7月2日記)は役に立ったのだろうか。週末の22,23両日共この時期にはめずらしい好天に恵まれ、積丹の海に集まったシーカヤッカーにとってはラッキーな2日間となった。例年比で4℃も高いという海水温は泳げるほどで、海辺に秋の気配はどこにもない。 秋鮭の定置網に大量のマンボウやジンベイザメが入ったとか、大雪山の紅葉がさっぱり進まないなどのニュースが続き、これを地球温暖化とみて異常気象を警戒するトーンの報道がやまない。せいぜい数年から数十年の記憶しかない人間の感覚は正しいのか。確かに記憶や記録に照らすと異常と言えるかも知れない。しかし、一方でこの程度の振幅は問題とすることさえ憚られるような地球の記憶がある。ベーリング海は陸橋によってシベリアとアラスカを結んだし、地球全体で内陸深くまで海が入り込んだこともある。つい昨日、地球

しっぽのバチ

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そう、ラクーンの尻尾を窓ガラスに貼り付けて出掛けたまではよかった。でも、帰ってきて部屋に入ると大変なことに・・。 締め切ったバスルームの窓には正面から西陽があたり、どれほどの熱が、充分になめされていない生乾きの革に加えられたのか。窓の下に落ちたしましま尻尾からは、呼吸困難になりそうな悪臭が拡散され、半分開いたバスルームのドアから部屋中に充満している。 閉めていったはずのドアが半開きということは・・? 申し訳ないことをしてしまった。留守中に部屋に入ったルームサービスのおばさんが、どれだけ仰天したことか。時間的にはそれほど腐敗が進んではいなかっただろうが、少なくともラクーンの尻尾には驚いて、風呂の掃除もドアを閉めるのも忘れて出て行ったに違いない。バチはそれだけに留まらない。いつもはキャンプ場に泊まる暮らしなのだが、デンバーは大都市。ちょっと贅沢だけど街の中のホテルにと決めたのがまずかった。キャンプ場やモーテルでは、当たり前だがクルマのそばに寝る。ホテルの部屋は高層階なのに駐車場は下にあるから、当然クルマとは離れ離れに寝ることになる。 翌朝、駐車場に降りて見慣れた愛車に近づいたとき異変に気付