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小さい秋みつけた

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長かった夏が終わり、大雪山からは2週間遅れの初雪の便り。しかし、寒暖差がそれほどでもないせいか紅葉前線はまだ高山に留まり、札幌近郊の里山にはしばらく下りて来そうもありません。

工房のそばの古木の幹にやっとヤナギタケが出てきました。ヤナギタケとは俗称で、正式名はヌメリスギタケモドキといういかにも不味そうな名前。だけどコイツが美味いんです。味噌汁にも合うし、シイタケに代えてスキヤキや鍋物に入れるとまた絶品。さっとゆがいたものをきざんで大根おろしと和えるのもまた良し。市場にも出回らず、季節限定の付加価値と自ら採る楽しみを加えて、国内最大の菌メーカー<ホクト>にも、この手のキノコの魅力はとても真似できません。

北海道では長いことラクヨウと呼ばれるイグチ科の茸が、秋のキノコの王様でした。
落葉松(カラマツ)の下に生えるこいつは食味もさることながら、タイミングさえ合えば落葉松林の足もとで大量に採れ、塩蔵による保存もできることから大いに親しまれてきました。落葉松は生長が早いのと、炭鉱の坑木需要が高かったことから離農跡地などで大量に植林され、全道どこにでもその林が見られます。ただ、現在では需要もなく、手入れもされずに放置され、加えて数十年も経つ古い林ではその落葉が土壌を強酸性にすることからキノコも出にくくなりました。

替わってこの十年来マイブームなのがこのヤナギタケ。地面ではなく木の幹の痛んだ部分に生えるので1箇所で大量に採れることはまずありませんし、見つけても高くて届かないときは悔しい思いもします。
この写真の木は、自分だけで密かに標本木に指定している道端の古いバッコヤナギで、ここに出てきたということは、上流の河畔林に行けばもうあちこちでその黄金色を見つけられることを意味します。今はまだ出てきたばかりで小さいけれど、あと数日で10センチくらいにはなるはず。

よ〜し、近いうちに時間をつくるぞ〜!

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