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開かれた大学?

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北海道大学総合博物館で「南極フロンティア展」が開催されている。 北大出身で南極に3度も行っているジャーナリスト阿部幹雄さんから、お誘いと案内を頂いた。 数年前に作って南極に送り、今でも現地で使われている輸送用ソリの内の1台が、持ち帰って展示されているという。自分の眼で確認したかったのと、街中に所用があって同乗していた実物を知らない母に見せたかったことから行ってみることにした。 阿部さんからは、行き先が博物館であることをゲートで告げれば、料金は掛かるが車で構内に入れる旨を聞いていたのだが、守衛は頑として許さない。「大学関係者以外の一般者を入れないのが自分の使命だ」とまで言い切る。「ウチで作ったソリが展示されているので・・」とか、「主催者が館内で待っている」などとねばってみても全く無駄。「とにかく直ちに構内から車を出してくれ」の一点張り。 押し問答を続けていてもしょうがない。かといって車を外に置いて出直しても、足の悪い母を数百メートルも炎天下に歩かせるわけにいかない。しぶしぶ諦めて帰ってきた。「開かれた大学」を標榜しながら、せっかくの展示も学内関係者だけで残念ではないのか。やめよう。自分が

キャンパーって?

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写真だとまあまあに見えるが、かなりポンコツのキャンパー(よくいうキャンピングカーは和製英語なので国外では通じない)がある。最近では子供達も独立して家を離れ、使う機会も多くはない。それでもあまり長い期間放置しておくと本当に壊れるので、年に何度か乗って出かける。 出かけた先で適当なキャンプ場を探すのだが、これが結構キャンパー泣かせでめんどくさい。まず、車の進入禁止のキャンプ場が多いのだ。そもそも日本の初期のキャンプ場は教育の一環として整備されたケースが多く、整地されたグランドの土の上に整然と軍隊式にテントを並べるのが長いことあるべき姿とされ、仲間同士や家族単位でのレジャーユースは想定していない。管理者が自治体や教育委員会の場合にはいまだにこの手のパターンが多くて、クルマの乗り入れなど風紀や規律を乱すとして絶対に許さない。 子供たちが小さかった頃、小ぶりのキャンパーで全道あちこちに出かけたが、その頃はキャンパーを乗り入れできるキャンプ場はほぼ皆無で、キャンパーでありながらキャンプ場を使えずに河川敷や海岸などで泊まったものだ。最近多くなった民営や第三セクターのキャンプ場は、キャンプサイ

ジンギスカン鍋

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「今頃かい!」 今日の札幌は8月になって初めての30度超え。7月末までに7日の真夏日があり、そこそこ夏を味わった気になって、ハイ、夏終了ーッ!と思っていたのに、ちょっと動くと滴る汗。「アヂーよぉ」と独りごちながら、木の葉を揺らしてそよわたる風を眺めています。暑さしのぎの休憩ついでにどうでもいい話を一つ。 先日、日テレ系のTV番組でのネタ。<北海道民は、海水浴といえば泳ぐのではなく、砂浜にテントを張って炭を熾し、ジンギスカンやバーベキューをするのが常識。> さすが「ケンミンショー」。他県民の「えーっ、」というコメントと、北海道民の「エッ、どこがヘンなのよ、常識じゃん。」という噛み合わなさを引き出して大成功。 道民としてこれを弁明すれば、本州各県の海水浴場のように電車で行く訳ではないし、ずらっと並んだ海の家が営業しているところはほとんどないので、クーラーに飲み物や食材を入れて車で持っていくのが当たり前。加えて、春の花見にはじまり、キャンプだ海だ、なんでもないけど集まって庭や車庫でジンギスカン、ヘタしたら学校の運動会まで、とにかく北海道の家庭でジンギスカンをしないウチなど絶対にアリエナイ。か

小泊の浜で

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朝4時半過ぎ、積丹半島美国から石狩湾の向こう、夕張山系のさらに東に陽が昇る。 早朝の空気の中身は、半分以上がもう秋の冷ややかさ。

子育て中

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長年にわたって放置され、昼間でも林床が薄暗いほどうっそうとした森の中は動物たちの世界。 縦横にケモノ道ができている。 まるで鼻歌でも歌うかのようにその森から工房前の草地に出てきていたルルが、近頃は立ち止まって様子を窺い、安全を確認する動作を見せるようになった。 決してその姿を見せることはないが、どうやら2頭か3頭の子ども達を連れて来ているようだ。子ギツネたちも大きくなって、いつまでも巣穴のそばでジッとしてはいられない。徐々に行動範囲を広げて、そろそろ自立を促すための訓練期間に入ったのか。生きていくための対処を、背中で教えているようだ。ルルが開けた草地に出てくるとき、子ども達は暗い森の中で静かに待っている。唸ったり睨んだりして命令する様子は無い。母親の意思は何の手段も介すことなく、人間にはないテレパシーで子どもに伝えられる。 なかなか戻らない母親を待ちくたびれた子ども達が、けんかやじゃれあいを始めることがある。森の中を走り回ってギャオギャオと大騒ぎ。日なたの草の上で気もち良く寝そべっていたルルは、すっと立ち上がって声のする方をしばらく見据える。何がどう伝わったのか、一瞬のうちに鳴き声はお