「札幌市の昭和」という写真集を予約までして手に入れた。写真と説明文を読みながらパラパラめくっていくうちに、ちょっとした違和感がどんどん増幅してくる。どうしても腑に落ちないので、出版社をネットで検索した。 ハハァ、そういうことか。騙されたとまでは言えないが、うまく乗せられたといったところだ。入手の経緯から本の内容までよくよく考えると、乗ってしまった自分がちょっと腹立たしい。まず、この写真集を知ったのは北海道新聞1面下段の書籍広告で、刊行記念特価9990円限定3千部予約受付中とあるのを見て、その日の帰り道に書店に寄ってすぐに予約した。そして予約したのをいいことに、発売日からかなり遅れて引き取りに行った。思えばその時からヘンだったのだ。 札幌の人口規模から見て3000部は入手困難だから予約は必須と思いきや、書店入口にはあろうことか山積みになって残っている。数ヶ月経った今でもだ。ここでまず残部僅少で引き付ける商法にハマったことになる。 内容に付いても違和感は増す。懐かしい昭和とはいっても、三十年代後半からはカラー写真が一般化したのに、全部がモノクロで色刷りは目次前の数ページを除いて全く無い。地
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初雪が根雪?
18日の朝、ルルが確かめようとしていた冬の気配は、どうやらホンモノだったようだ。 あの日から野山は白く覆われ、今日はとうとう本格的な冬モードに突入した。札幌管区気象台のある街中では、いっとき日陰を除いては雪が消えたようだが、工房周辺では、標高のせいで気温が低いこともあってずっと初雪が消え残り、その上にまた今朝からのこの雪。 朝来たときにはあちこち地面が見える程に減っていたのだが、ほんの3時間ほどで膝丈をゆうに超えるほど積もった。まったく止みそうな気配がない。11月ではまだ道路の除雪も入らない。ヘタしたら家に帰れなくなるかも・・。 この分じゃこのまま解けずに根雪になってしまいそう。 さあ、初除雪をするか! この冬もホンダの赤い除雪機は機嫌良く働いてくれるかな。それにしても今年はヘンな年。 札幌の平年の初雪は10月30日、そして根雪の初日は12月8日だ。 初雪が20日も遅れ、そしてそのままその雪が10日も早く根雪になるなんて・・。
戦国芝居
哀しいことに、選挙を控えたこの国の頂点近辺は混迷の極みを呈し、理念も品格も無い政治屋どもが有権者そっちのけの恥知らずな離合集散を重ねています。 掲げた旗をさっと背中に隠すわ、勝手に取りかえっこしておいてまた喧嘩別れするわ、こんなの政治家じゃなくても一社会人としてすでにダメでしょ。大異を小異と言ってはばからない老人の一念に気おされて、ああ言えばこう言いながら看板の文字を次つぎ変えていく大阪のやんちゃボウズ。 <輪転機>や<国防軍>発言で、みごとに国民の開いた口を塞がらなくしてくれる安倍のボンボン。員数や情勢に乗っかって、こんな三世議員がこの国の将来を背負うことに恐怖を覚えるのは私だけでしょうか。 民主党にしたって、この3年間を総括しての真摯な反省も懺悔もなし崩しのまま。 日本の将来ビジョンも提示することなく、どぜう君は何を売ろうというのでしょうか。誰も見たいと言った覚えのない奇想天外の戦国芝居が、衆院選を舞台に展開されています。 この有り様を引いて観察する国民には、選挙後の政界だってレベルの低い混沌が透けて見えるというのに、いったい何を信じて一票の意志を託せというのでしょう。消費税、少子
冬のにおい
前夜から降り続く雨が、朝には上空に侵入してきた寒気に冷やされて氷雨になってきた。 久しぶりにルルが姿を現し、いつもの場所に腰を下ろすと、その氷雨に打たれながら何かを嗅ぎ取ろうとしていた。 濡れた空気に何の匂いが漂うというのか、目を細め、突き出した鼻を西から北へ北から西へゆっくり動かす。 その様子を窓越しに見ていて気がついた。これは獲物や敵のにおいじゃない。すぐそこまで来ている冬を確かめようとしているんだと。ずっと疑問に思っていた。 人間は、過去の記憶や暦、それに降り注ぐ情報の助けがあって<冬>の姿や位置を知るが、自然界の生き物たちに<冬>という概念があるのだろうか? <今>を生き抜くことが全ての野生生物にとって、刷り込まれた遺伝子が、厳しい冬をやりすごさせてくれる唯一の味方なのか?春や秋はともかく、野生動物にも<冬>の観念はあるのだと思いたい。ルルのその表情は、冬の存在を見つけ確かめ、そして納得しようとしていた。レンズを向けていたほんの5分ほどの間に、氷雨は大粒のみぞれに変わり、やがてほんものの雪になって夜まで降り続き、昨日の朝にルルが佇んでいたこの場所は、今朝は20センチの雪に埋もれ
インディアンサマー
なかなか里に雪が降りてこない。山の上はとうに白くなり、上等なケーキに振りかけられたフロストシュガーのような新しい白を見せてくれるが、雪線は千メートル付近に留まってモジモジしている。 否応なしにやってくる冬だから、そりゃ少しでも遅いほうがありがたいけれど、地上の生き物や木々がすでに準備を整えて覚悟を決めたというのに、肩を透かすように雪ではなく連日の雨。旭川では過去もっとも遅い初雪の記録を今日で更新し、札幌も明治期の記録に迫りつつある。そんな雨降りばかりの北海道だが、昨日と一昨日は珍しく晴れ間が広がった。いわゆるインディアンサマーというやつだ。冬に向かってどんどん暗さを増す11月に、ぽっかりとうららかな小春日和が現れる。本来なら、この頃にはすでに幾度かの雪に覆われそして消え、すっかり葉を落とした枝を透かしてやさしい光が降り注ぎ、それがそのうららかさをより嬉しく暖かいものにしてくれるのだが。贅沢は言えない、雨降り続きの陰鬱な今年の11月でも、それはそれなりにありがたいことだ。1ヶ月も前から風のない晴れ間を見つけては飛び回っていた<雪虫>たちも、昨日はこれがラストチャンスと大発生大乱舞。北海道