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製造責任

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振り返ると、道具として発展途上ではあったが新しい可能性があったこと、当時は国産の製品が無く、いくつかの輸入品は高価であったことなどがスノーシューを作り始める動機といえば動機だった。はじめは製品として販売することなど考えず、興味のある周囲の者に提供するうち、意外な高評価と製品化の勧めに何となくその気になってしまった。このあたりが日曜大工オヤジの腰の軽さで、素材や加工法の乏しい知識に苦労しながら、1996年に3タイプを製品として発売することになる。 以来20年弱、こちらが予期しないユーザーの使い方や素材のミスマッチを克服しながらマイナーチェンジを繰り返し、8タイプに増えた時点で製作中止を決断することになる。その間にスノーシューは広く認知されることになり、それに比してハイスペックなエンドモデルから中国製の安価なエントリーモデルまで出回るようになると、もう少量手作り製品の出る幕ではない。 もともと材料代や労賃を無視して苦労を楽しんできたスノーシューの製作を止めてしまうことに何も未練はないのだが、これからも続けていかなくてはならないのは修理の問題だ。今まではフィードバックにも

10年に一度?

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「1 月24日から25日にかけて日本列島は10年に一度の寒気に覆われ、北海道・東北から九州鹿児島まで最低気温が氷点下になると共に雪による障害に最大限の注意が必要です。」 先週あたりからTV各局のニュース番組は喧しく雪による被害をトップで伝え、予想される交通障害や災害に対する備えを繰り返し呼び掛けていました。 実際今朝のニュースでは、普段あまり雪に縁がない九州や中国地方のレポートに多くの時間を使って異常さを強調していますし、通行止めで長時間動けない運転手の声などもキー局に集まっています。 我が北海道でも低温と暴風雪の注意報が出され、病み上がりの身に除雪作業はキツイなと思ってはいましたが、降雪量もさほどではないし、どうやらそれほどの事も無さそうな気配です。札幌の最高気温は➖10℃との予想ですが、街よりも寒いとはいうものの工房の物置に掛けた温度計では現在➖14℃、今朝の最低が➖18℃と記録されていました。 それにしても10年に一度とは注意喚起用のワードなんでしょうか。北海道在住者にとってはひと冬に何度か➖20℃以下になることもあるので、この程度の低音や積雪で困るという

前立腺を焼く

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10年以上前だが、大きな病院の人間ドックで前立腺がんの可能性が見つかり、更なる検査のためにと2泊3日の入院を勧められた。その時は疑いが晴れてそのままになっていたのだが、数年前にまた別の病院で疑惑が生じることに、、。 そしてエコーやX線を使った再度の検査でも結果は白で、癌ではないが前立腺が肥大しており、放置すれば頻尿になることはあっても薬で良くなることはないという。 男性は多かれ少なかれ老化によって膀胱が硬化収縮して排尿の間隔が近くなってくる。この症状を改善させるには今はレーザーで焼くという簡単な方法がある。この方法であればメスを使うこともなく1週間から長くても10日ほどで退院可能だとも。 このまま薬を飲み続けて進行を抑えるのも一方ではあるが、失禁ジジイになるのは嫌だし「この冬の間に手術しとくか」と思い立った。 ただ、そうは言っても10年前の体験が非常にインパクトのあるトラウマになっていて、手術室に入るまでどこかに躊躇する気持ちがあった。今回もその時と同じような全身麻酔をかけると聞いていたからだ。   10年経ってもはっきり覚えている。入院初日はい

50年前のクリスマスイヴ

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今から50年前のクリスマスイヴ、当時まだ10代だった我が妻と二人で、岩手県北上警察署の隣にある喫茶店の椅子に沈み込んだ。 他の客は奥の席で賑やかに意味不明の東北弁を喋る6〜7人の男女。店の入り口や窓際にはクリスマスらしい電飾が瞬く。自分のことをオラと明るく言う女の子達の笑い声の合間に男達の熱弁を聞いてみると、どうやら地元の4H倶楽部らしい。警察で「署を出たすぐ隣さつどいがあるからそこで待ってればいい」と言われたそのつどいの呼び名が納得できた。地元の若者達の社交場ということか。ちなみに吉幾三の<オラ東京さ行ぐだ>の歌詞につどいが出てくるのだが、確かこの頃にはまだ発売されていなかった。 何をオーダーして何を食べたのか全く記憶に無いが、しばらくして警官が事故証明を持って来てくれた。 そう、見知らぬ東北の夜の郊外で事故を起こしてしまったのだ。 若気の至りといえばそれまでだが、友達に借りた2トン車でひと儲けしようと本気で考えていた。伊豆でミカンを買い込み北海道で売り捌こうと、北へ向かったまでは順調だった。青森に着く頃には暴風雪でフェリーが欠航。当然そこで足止めとなる。荷台

温泉蒸し

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鹿部町に出来た道の駅を訪ねてみました。有名な<鹿部の間欠泉>の隣にできた新しい道の駅です。 10年くらい前にも見にきた間欠泉は、イエローストンのオールドフェイスフル等の規模を知る目には、なんとも可愛い噴出量と高さではありました。その記憶はけっこう鮮明に残っていたので今回は入場しなかったのですが、隣の道の駅に面白いものを見つけました。 駐車場の脇に<温泉蒸し処>の看板がついた四阿が建てられ、6基の釜の上に載せられた蒸籠(せいろ)からは勢いよく温泉蒸気が噴き出し、寒さのせいもあって奥まで湯気でよく見えないくらいです。蒸気やお湯で温泉卵を作って売っているところは何箇所もありますが、こうしたセルフで調理できる施設は道内では見当たりません。本州各地にはあちこちにあって、九州別府の温泉街の真ん中で海鮮蒸しの列に並んだこともありましたが、あまりの待ち時間にあきらめた記憶があります。 食材は隣の道の駅の売店で購入しますが、やけどの危険もあるので係の女性が念を入れて使い方をレクチャーしてくれます。 貝・魚・野菜・卵などを買うと、ネットに載せた食材と同時に革手袋と蒸し時間をセットす