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就実の丘

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オホーツク方面への行きがけに、旭川で<就実の丘>へ寄ってみた。 就実とは地名なのか?いやいや、入植者が夢や理想を込めてその地につける北海道の地名として多いのは共成とか豊岡だろう。しっくりこないのでググってみると、やっぱり地名ではなかった。明治33年に香川県から3名がこの地に入植し、苦労の末に仲間や子孫も増えたのだろう大正3年に<就実青年会>を立ち上げたという。 地元の写真家の注力や”安全地帯”のPVなどで10年ほど前から知られるようになった場所だということらしいが、その場所であることを示す看板が一つあるだけで、いわゆる観光地らしい施設は全く無い。 機械の力で山を削り谷を埋めた近くの旭川空港とは対照的に、あるがままの高低差を受け入れて開墾のクワを振るった、昔日の汗と涙が開いた土地を覆っている。北海道によくある真っ直ぐな道路は、高低差や地質などを無視して机上で引かれた「基線」というヤツで、ここでも例外ではなく駆け落ちるような急坂や喘ぐ登りがその基線となっている。昇り下りを繰り返して地平に消え去るその基線を、いま我々は<ジェットコースターの道>と名付けてスマホのレンズを向け

36,3℃

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本州や沖縄と同じくらいの、いや、ときにはそれよりも高い気温が続く札幌ですが、8月23日、とうとう来ました。過去150年の観測史上最高、36、3℃の猛暑日を記録。以来札幌では三日連続で35℃以上の最高気温が続きますが、8月のお盆を過ぎてからの連続真夏日や熱帯夜も初めてだとか。 北米全域で100箇所以上の山火事が発生。鎮火の可能性がある場所は1割未満で、大半は放置するしか術がないという無力感。マウイ島の火災では過去に例のない犠牲者が出たようです。かと思えば世界中で異常な降水による洪水が発生したり、大規模かつ広範囲な乾燥による農産物の被害や飢餓のニュースも後をたちません。 これらの事象を俯瞰してみると、大雨が降ったり日照りになったりといった個別の災いは、全てわずかな(?)気温上昇に起因していることが明らかです。それと意識せずにとは言え、我々人類が地球に甘えてきた結果であることも明白です。 そんな猛暑日の昼下がり、窓もドアも全開の工房の中に若いメスのアオジが飛び込んできました。かなり消耗しているらしく、自力で飛び立つ自信がなさそうです。これから1ヶ月ちょっとで東南アジアへの旅

盃テラス

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古い友人達からの誘いがあって、西積丹の盃テラスに行ってきた。 「子供たち孫たち抜きで、大人だけののんびりした時間はどうですか」という。記憶を辿ってみても、そんなシチュエーションをこの仲間で過ごしたことは無かった。子供達の声や動きに視線を追わせることなく、凪の浜辺にイスとクーラーを置き、ビールやワインを楽しみながら、時間を気にせずゆったりした1日を過ごすことができた。 海からのそよ風、微かな波の音、静かに落ちて行く夏の太陽に感謝!

13歳おそるべし

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13歳の孫娘がニュージーランド旅行で撮った画像を編集したスライドショウを見せてくれた。千数百枚から選び出した画像を自分で加工し、フェードアウトや回転などの小技をふんだんに使い、シーンに合わせたBGMまで入れた脱帽物だ。 孫娘は小学校の頃から接続先限定のキッズ携帯は持っていたが、やや古めのi Phoneを使うようになって確かまだ2年くらいかと思う。こちとら30年も前からガラケーは使っているし、i Phoneになってからも6〜7年は経つというのに、電話とLINE、それに天気予報くらいしか見ない。最近ではカメラを使ってみるようになったし、この上なく便利なツールということはわかってきたが、あまたあるアプリは自分には縁がないもので今のところ邪魔なだけ。 子供の頃から何の不思議も感じることなく手のひらのタッチ画面と一緒に育って来た訳だから、アナログジジイには理解出来なくても自然なことなのかもしれない。 13歳の女の子が作った我が家族の秀逸なスライドショウをこの場で見せる訳にはいかないのが残念だが、孫娘の背中は遠くなるばかりだ。  

終活その1・生前贈与

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親の世代を全て見送り、今を生きる家族の最年長者になって、自分達のポジションを時々考えるようになった。これまで何とも思わず持ち上げていたものがだんだん辛くなったり、階段の上り下りで息切れするようになって体力の衰えを突きつけられ、事あるごとに高齢者の分類にはめ込まれて、否が応でも老化から逃れられない命の掟を知る。 80歳半ばの今の日本の平均寿命をベースにするとまだまだ先の事と思えるが、これはハイレベルな医療があってこそ。途上国や紛争当事国では平均寿命が60歳を切る国だって多いというから、終活を考える立場に不足は無い。 終活の取っ掛かりとしてまず思いついたのは息子と娘に対する生前贈与だ。せいぜい葬式代くらいを除いて残す金など有りはしない。そのことを念押しした上で、まだ完全な年金生活者という訳ではなくもう少しの間は働けるから、今のうちに何かを残してやりたい。我々夫婦の子供に生まれて来てくれ、決して満足のいく暮らしではなかったが、それでもそれぞれが誇れる家族を作っている。そんな二つの家族に忘れ難い旅をプレゼントしようと2月頃に夫婦で合意した。 世界中どこでも良い。若い頃から我々