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エンディングノートとリビングウィル

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ひと月ほど前、同居していた母親が亡くなった。 3年前に食道がんが見つかり、年齢のこともあって手術はしないと自分で覚悟を決めた。いつかは来るその日を少しでも悔いなく迎えるために、それまでボチボチだった終活が忙しくなった。自分自身や亡くなった父親との思い出が詰まってはいても、捨てるものは思い切って処分し、もらってくれる人があればせっせと荷造りして発送。「そんなの置いとけば後で俺たちがやるから、そんなに動き回ったら具合が悪くなるよ。」周りの心配を聞き流し、同時に遺書を書き直すとエンディングノートとリビングウィルも墨書し始めたようだった。 金庫の鍵はどこどこで、中にある遺書は私が死んだら兄弟で見てほしい。生命保険や年金の証書もそこにある。生前お世話になった人や親しい人に書いたお別れの手紙の束には、全て切手が貼ってあるから投函してくれればいい。葬儀は出来るだけ質素で誰にも知らせず、必要なお金は封筒に入れてある。 何度も加筆した様子のあるエンディングノートは、いつも座っているイスの後ろの引き出しに入れてあった。 手術をしないと決めた時から、治療はせず苦痛のみを和らげる緩和ケアに掛か

クマとシカそしてアカシア

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どんどん進むカレンダーの日付に尻を叩かれつつ日々の仕事をこなしていたら、もう半年が過ぎて7月がすぐそこに・・。 5月、例年のように近くの湿地でヒグマの姿を見かけることがなく、少し残念な気持ちもあったが、いつもとは違う道路の反対側の伐採地で5~6回続けて見かけた。フキでも食べていたのか、繁殖期に移動しないところをみると雌だろうか。体長1,5M、100kg以上はありそうだ。 この推測は当たった。6月の初め、体長1Mほどの2歳と思われる子熊が、<羆出没注意>の看板がある道路の上で寝転がっており、こちらに気付くや親のいるほうに駆け下っていった。 今年の3月末には、札幌の住宅地から400M  の登山道近くで冬ごもり穴を調べようとした調査員が、母熊のアタックをうけてケガをする事故があった。 すごい勢いで繁茂する枝葉に隠されて、この親子を道路から見かけることはできなくなったが、ここから1km弱の住宅地に近づくことなく、この周辺でのんびり暮らしてくれることを祈りたい。 これまでに経験がないことだが、たのしみに見守っていたウドがエゾシカに食われてしまった。植えたわけではなく

今年も・・。

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二月の末に突然始まった世界を二分する戦争は、桜の便りを聞いて五月を迎えようとするのに、全く治まる気配を見せていません。 工房の手前にある道際の湿地は今年も水芭蕉の白に覆われています。毎年この白さに触れ、それを誰かに伝えたいとは思うのですが、同じような記事の繰り返しになって新鮮な空気を思いつきません。   以下に、ちょうど10年前の今日の記事をコピペします。 2012/4/28 心が少しだけ軽くなります。 くぐもった冬景色を見慣れた眼に、この明るさはなんということでしょう。 工房の手前100Mほどの道沿いにある湿地に、ミズバショウが開きました。冬のあいだ、気付かずにこびりついていた寒さと暗さの心の垢が、ウェディングドレスのような仏炎包の白さにそぎ落とされます。 この湿地(北海道では通常やち<谷地>と呼ばれる)が湿地らしいのは今の時期だけ。 小さな雪解け水の水溜りは、おたまじゃくしが蛙になるころには水草で覆われ、やがて背丈を越すほどの一面のヨシ原にかわります。

オーバースライダー

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若い頃には考えもしなかったことですが、カナディアンやW艇を車載するときに体力の衰えを感じるようになり、数年前からときどきもっと楽にカートップできないかと思うようになりました。 自家用のカヤックなら多少こすっても押し上げても平気なんですが、製品となると細心の注意が必要です。工房の柱に簡単なクレーンをしつらえて、吊り上げておいてからクルマを下に入れて積み込む方式に変えてはみましたが、風が吹くと壁にぶつかったり養生に時間が掛かったりと、やっぱり一人ではうまくいきません。   以前からその存在を知ってはいたのですが、クルマを乗り換えるタイミングに合わせて、オーバースライダーという車載用のキャリアアタッチメントを採用することにしました。 画像のように引き下ろしたフレームに腰の位置まで持ち上げて固定し、あとは車の上にずらして止めるだけ。 力任せでカートップできていた頃と比べれば、やっぱり少し時間が掛かりますが、まあ、らくちんで安全だと思えば良しとしましょう。

代理戦争

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プーチンが暴挙に踏み出してからひと月半。 ウクライナ側の予期せぬ抵抗に、ロシア側は当初の計画の見直しを余儀なくされ、キーウ周辺からベラルーシへ撤退。と同時に民間人に対するおぞましい蛮行が明るみに出て、世界中のメディアが四六時中それを伝える。言葉を失うショッキングな映像に、国連の人権理事会は多数の賛成をもってロシアを排除したが、プーチンに戦争そのものを止めさせることは誰にもできない。 声高に非難する西側諸国に同調して民主主義を標榜する国は多く、国連加盟の過半数が非難決議に賛成するが、漁夫の利を待つ中国をはじめとする一部の国は制裁に反対する。プーチンの顔色をうかがいながら反対や棄権に回る国は、その数こそ少ないが、人口規模では賛成各国を上回る。 核戦争は避けねばならぬと西側は言うが、ロシアの圧倒的軍事力の前に、ウクライナは手持ちの通常兵器だけで抵抗するしかない。ゼレンスキーは好んで西側の代表をやっている訳ではないのだ。 世界は大きく割れてしまった。両陣営の軍備はますます拡充されるだろうし、経済圏も二極化が進むだろう。この世界が2022年2月24日以前に戻ることは無い。   太陽の光は強さを増