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オホーツク街道

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とくに必要はなかったのだが、思いきって今日を休みにした。 「日曜日くらいゆっくり休めば?」とよく言われるが、イベントや所用があってそのせいにできる場合はともかく、なかなか休めない、休む気にならないのが自営業者ってもの。 このところワリと予定通りに仕事が片付いて、1日くらい休んでもバチは当たらないだろうと思い始めたら決断に迷いは無かった(大袈裟な)。一緒に仕事をしている若者二人も休みだし、カミさんは友達3人組で半月以上のヨーロッパ旅行。よし!犬さえ連れて行けば完全に自由だァ!!自分でも気付かないうちに、微細なフラストレーションが霧のように心の底に淀んでいたのかもしれない。とにかく無性にクルマで走りたくなった。そうだ、たまに長距離を走らないとダメなんだ俺は。去年の春にレンタカーで名古屋から福井を往復して以来、せいぜい帯広や北見に出かけるくらいだったから、それで物足りなさがくすぶっていたんだ。満タンにしたキャンパーに犬を乗せ、早仕舞いした夕方、とにかく走り出してから考えた。北海道地図を広げて行きたい場所を探しても走ったことのない国道や地域なんて無い。ただ、行ったことはあるがあまりに昔で最近の

食える?食えない?

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お盆を過ぎた頃、大雪山の山頂から駆け下りはじめた紅葉前線を、さらに追い立てるかのような初雪が6合目までを白くしました。 ついこのあいだまでたむろしていた夏の姿はもうどこにも見当たりません。朝露と、背筋から体温を奪う冷気が、実りの秋、キノコの秋を教えています。・・で、エゾリスが忙しく走り回る工房近くの路肩で見つけたこのキノコ。図鑑で調べてもチャナメツムタケかキアブラシメジか同定困難。 この数年間で菌類にかなり詳しくなった製作担当のHも「ううう〜ん・・」。 「チャナメだと食えるんだけどなァ。もしキアブラだったらヤバいし・・。食ったら旨そうな感じもするけど・・。」 ダメダメ、絶対に確信の持てるものじゃなければ食っちゃだめ。これ、キノコを口に入れる時の鉄則です。

洩れる・・

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寝返りを打った拍子に、半分は夢の中で 「うううっ、 いででぇ」 首を枕から起すと、筋を寝違えたようで 「エッ、 いっつゥゥ〜う」 起き上がろうとして、膝の痛みに思わず 「あうちっ、 う〜〜〜ん」 腰を伸ばそうとして、腰の痛みにまたしても 「いててててェェェ〜」 歩き始めて、小石を踏んだような痛風の痛みに 「うわっ、くっそォ」 ときどきは足首の靭帯も調子が悪くなって 「いった〜いナァ もう」 着替えようとすると傷んだ左肩の肩板が 「お〜うっ、 いてててぇ」誰かに訴えるつもりは毛頭なく、そのとき感じた痛みが反射的に口から漏れただけだ。 朝から立て続けに「いててェ」を聞かされる家人は、ふた言めには「病院行きなよ。」 「もともと我慢強くて滅多に痛いとか言わないくせに、よっぽど痛いんでしょうよ。」 「そんなんじゃない。朝の動き始めはとくにあちこち痛くて口から漏れるだけだよ。」 「もう昔と違って歳なんだから、無理なんかできないんだよ。大事にしなくちゃァ。」消費期限が近づいているとはいえ、いったい一日に何回痛みを口にしているのだろう。 而も他人に聞かれるかもしれないような状況で、無意識に洩らしてしま

ミカドフキバッタ

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本州方面ほど台風の影響も無く、雨の日は少なかったものの日照りというほどのこともなく、真夏日もけっこうあって,夏らしいといえば夏らしい。そんな札幌の夏が終わろうとしています。朝夕のひんやりと済んだ空気が秋の先触れとして静かに周囲を覆ってきました。画像のバッタはミヤマフキバッタと呼ばれることもあるミカドフキバッタです。名前の通りフキを食草にしていて、工房の周辺ではあきれるほどのフキバッタが毎年発生します。同じようなサイズのフキバッタは3タイプいて、この申しわけ程度の羽根を背中に残したミカドの他にも、すっかり退化させて全く羽根のなくなったサッポロフキバッタ、普通のバッタのように飛べるハネナガフキバッタがいます。 春に卵から幼虫になると、この3種のバッタは混然となって、そこら一面無尽蔵に生えてくるフキの葉に取り付き、静かに聞き耳をたてると食み音が聞こえそうなほどの勢いでまさに食い尽くします。 被害を受ける蕗の方はといえば、葉脈だけの無惨な姿になってしまっても次々と根元から新しい葉を伸ばしますので、傷んで株が枯れてしまうことはありません。 今年もフキバッタたちの交尾と産卵の季節がやってきました

これも夏の色

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自然界ではあまり見かけない色たちが不規則に大集合。 普段の暮らしでは決して目にすることのない、落着きとか安らぎとは正反対の配色ですが、子供達には興奮や期待をもたらすのに充分なパワーがありそうです。こんなにぎやかな色、新緑の春や落ち葉の秋には似合いません。 でも、こんな配色どこかで見たような・・と記憶を探すと、ありました。しかも冬です。そう、ゲレンデに散らばりリフトに列を作る、好き勝手なウエアー達の色ではありませんか。 人工的な配色とはいえ、夏の暑さをはねつけるようなこの乱雑さは、なぜか網膜の奥から遠い昔の記憶や子供達の高い声を引き出してくれる懐かしさも宿していました。