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雪の蔵

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今年も無意根山の残雪が光る季節になってきました。 晴れた日の朝、この山の白さが目に入る度に清々しさが、そしてそれと共に感謝の気持ちが湧いてきます。 真夏の7月に白さが無くなるまで、大量の水が雪のかたちで山肌に残り、梅雨のない札幌の街に水不足をもたらすことなく、少しずつ解け流れては下流域を潤してくれます。 真夏になって全ての沢筋から雪が消えても、地中にもぐった雪解の水はゆっくりと時間をかけて山裾に滲み出してくれるのです。 そのおかげで大都市札幌に水飢饉が無いのだということを、この街に住む人々のうちどれほどの人達が意識しているでしょうか。 この街を囲む山々は、今年もたのもしくそこにあって、新緑の下界を見下ろしています。

ヘビだって恋する初夏

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どうも毎年この時期がヘビたちの交尾期になっているようです。 去年もそうでした。想い返すと5月の末から6月の半ばまでの暖かい日、毎年必ず一度や二度はテレビの裏側の暖まったスペースで濡れ場を演じてくれます。 2012年6月19日に書いたような3匹が団子のように絡まりあっての狂気じみたものではありませんが、聞こえてきた耳慣れぬ音の元を探ると、今年も新しいカップルが真剣な生殖行動に精を出していました。二匹とも1メートル弱とほとんど同じ体長で、緑色の体色が美しく若さみなぎるアオダイショウです。 大きさの割にはおとなしく、襲いかかってくることはないとはいえ、そのままにしておくと何時までも退散してくれそうにないので、2匹の首を一緒に捕まえて表の草わらで続きに励んでもらうことにしました。子供の頃からの顔なじみではあっても、アオダイショウの詳しい知識がないことに気付いてちょっと調べてみました。 やっぱりこの時期が交尾期で、7月頃に4から10数個の卵を産み、9月頃には次々ふ化し始めるようです。昼行性で琉球をのぞく日本全土だけに棲息し、主食はネズミや鳥の卵で、大きいものでは胴周り5cm全長2メートル、寿命

500本の色鉛筆

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いっときの主役だったサクラやコブシが舞台下手の袖に引っ込むのを待っていたかのように、その他大勢のあらゆる樹々の若葉がいっせいに萌え出しました。 毎朝目にする道沿いの山も、モコモコモコモコと膨らんでいます。 テキトーな写真で伝わり難いけれど、力強く濃い緑から、目の奥まで刺さる明るい萌葱色まで、<新緑>と一言で表すにはあまりにたくさんの緑たち。 それに、一日といえず変化する山肌の色合いを見ていて思いました。 『う〜ん、絵心さえあればキャンバスいっぱいにいろんな緑を乗せてみたい。』 そんな残念な気持ちの裏手から、ふと曖昧な記憶が顔を覗かせました。 『500色。うん、たしか500色だ。500色のクレヨン?いや色鉛筆だったかな。そんなのがあればぴったりの緑がたくさん見つかるかな。』で、ネットで探したらすぐにヒット。フェリシモという会社から発売されている500色の色鉛筆でした。 黄緑よりも黄色い萌葱色から、海の底のビリジャンのような重い緑まで、いろんな緑が100本はあるでしょうか。少しずつ色目を変えながら並んでいる色鉛筆を見ていて、その1本1本に名前があることに気付きました。 <ゆでたてのさやえ

草もち

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写真中央にいる帽子の女の子。このメンコイ4才の孫にね、春になったらみんなで草餅ついて食べようって、雪深い頃に言ったんですよ。 そのときのこの子の頭の中は??がいっぱい。『えっ、草? くさなんか食べるのやだナ』・・・ンで、きっぱりと断りました。 「草やだ!草きらい!きな粉のお餅がいい。」このまま大人になる訳じゃない。どうせどこかで気付くんだから、ま、いっか。 いや、良くない。ここは流してはいけない。春になったら自分でヨモギを摘んで、いっしょに草餅を搗こう。買ってきて食べさせたんじゃダメだ。多少めんどうでも餅米を蒸して臼と杵で搗くんだ!なんてね。連休の一日、仲間が家族で集まるのに合わせて、何年かぶりで餅を搗いたんです。アンコを入れてまるめた草餅と白い餅。もちろん本人も喜んで草餅を食べてました。終わって、タワシで臼を洗いながらちょっと感じたんです。いい時間だったなってね。

ジェラシー?

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二ヶ月くらい前の朝方、留萌沖を航行中の<そうや>(昔の南極観測船。今は<しらせ>に南極を任せて北の海で活躍)から電話が入った。北極や南極で極地の気象や氷を研究している知り合いの准教授からだ。数日前に台風並みに発達した二つ玉低気圧が北海道に猛烈な嵐をもたらしたが、ちょうどその頃にオホーツク海上で流氷を観測していた<そうや>も巻き込まれて大変だった様子。 「氷厚測定器の防水ケースが大時化で壊れた。昼過ぎに小樽港に入ったらそのまま北大の低温研究所に運ぶから、悪いけど修理が可能かを低温研に来て見て欲しい。」仕事の手を休め、約束の時間に出かけたのは言うまでもない。夏には北極に持って行くがそれまでは使わないとのことなので引き取って帰ってきた。そして先日から修理に取り掛かったのがこの画像。 他には無い初めてのものを作るといっても、実際に極地に行ってテストすることは出来ない。北海道の冬山での体験や、知識と想像をさらに拡げながら頭の中でシミュレーションを何度も繰り返す。 壊れたものを直すときもそうだ。使用状況やその原因がフィードバックされることもあるが、なぜ壊れたのか、強度の問題なのか、位置が悪いのか