多くのキャンプ場で言わずもがなの禁止事項が多いと書いた。だがこれは道内に限らず、またキャンプ場に限られたことでもないように思う。 とかく施設や団体を管理する側は、日本人に深く染み付いた<事なかれ主義>をすべからく発揮して、とりあえずぜ〜んぶ禁止としておく。 そうすればトラブルを未然に防げるし何かあっても責任は回避できる。 しかし、残念ながらここに利用者側の視点は無いし、時代と共に変った旅行形態への対応も無い。キャンプ場は確かに増えた。思い返せば昭和30年代末から40年代にかけて、それまで国防色だった綿帆布の天幕が、黄色いビニロンの屋根型や家型テントに代わった頃だ。欧米の野外教育をまねて、自治体や教育委員会が各地にキャンプ場を設置しはじめた。この時点で一般人や家族での使用は想定されず、学校の運動場のような地面に、時にはロープまで張って整然とテントを建て、あげく周囲に側溝まで掘って、起床から就寝まで号令一下の軍隊式団体行動を理想として運営されてきた。 正確な数は判然としないが、昭和時代からあるキャンプ場の殆んどは、その前身がそういう学校キャンプの為の施設かと思われる。飯盒炊さんのための大き
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オートキャンプ事情in北海道 その1
<今日のリビングはせせらぎに沿った青葉の下。娘や孫たちと、穂別キャンプ場で> 最近は道内あちこちのキャンプ場でたくさんのキャンパーに出会うようになった。北海道、とくに夏場の道東・道北などでは道外ナンバーのキャンパーを多く見かける。キャンパー同士、何かと連帯感を持つ人も多いようで、道路ですれ違う際にはお互いに手を挙げて挨拶、道の駅やキャンプ場では情報交換したり、ときには仲良くなってごちそうになることも・・。 軽自動車を寝れるように改造したいわゆる「軽キャン」から8mを超えるトレーラーまで、キャンパーは形状も大きさも様々だが、そこから降りてくる人たちにあまり若い人はいない。「まだまだ元気だが、還暦を迎え仕事もリタイアしたし子供の手も離れた。キャンパーでも買って、夫婦と愛犬で長年の夢だった北海道旅行にでも出かけるか。」出会うたび、そんな人たちの多いことに世相を想って得心するし、少し羨みもする。 さあ、そうやって津軽海峡を渡り、はるばる北海道まで出かけてきてくれたのだから、心ゆくまで走り、の〜んびり過ごして楽しい想い出をたくさん持って帰って欲しい。さて、北海道内のキャンプ場はといえば、様々なス
リュウジョ
フワッフワのわた雪のようでしょう?もちろんこの季節にそんなわけありません。 ヤナギの種とそれを覆う綿毛が道端を埋め尽くすの図です。 周りを見渡すと、大きなポプラが数本、ちょっと離れてドロノキとバッコヤナギが数本。この時期にはどの木からも綿毛が風に運ばれますが、このフワフワ具合はポプラに違いありません。ゆっくり歩いても足元からモワッと舞い上がり、浮遊しているヤツが鼻にまで入ります。しばらく歩き回った自分の姿は、ズボンから頭の上までまるで全身に白カビでも生えたようで、とてもそのままクルマには乗り込めません。 そっと手の上にのせて、鼻息に注意してよ〜く見ると、綿毛のまんなかに砂鉄の一粒よりも小さい黒い種が見えます。でも残念ながら肉眼ではここまで。ここから先の不思議に触れるには顕微鏡が必要です。想像してみて下さい。1ミリの何分の1の種が、風に遠く運ばれ、舞い降りた土の上で芽を出して成長し、やがて幹周り数メートル、樹高30メートルにも達します。体積比で何億倍になるのでしょう。計算などする気にもならないほどの驚異の能力ではありませんか。これらヤナギ科の綿毛(ポプラもドロノキも立派なヤナギ科、ちなみ
ヤマボウシ
自宅のお隣のKさん宅のヤマボウシが満開になった。北海道には自生しないので庭木ではあるのだが、花びらのような4枚の総包片は純白で、暑い夏が始まる気配のなかにあって、辺りにすがしさを漂わせている。花が終わったあとにできる赤い実はジャムなどに利用するそうだが、食べたことがないので残念ながら今のところ想像してみるのみに留まっている。やはり庭木に多い近似種のアメリカハナミズキは、包片の先端がかすかに赤味を帯びたものから、全体にピンクがかったものまであるので、それと較べるとヤマボウシはいさぎよく真っ白だ。アメリカハナミズキ(英名=ドッグウッド)といえば北米原産でバージニア州の州花でもあるのだが、西隣に位置するジョージア州アトランタの街の花としての方が有名で、街路樹や庭木としてたくさん利用されている。 昔この街を訪れたときには花が終わったあとだったのだが、「ドッグウッドの季節には街中に花があふれてそれは素晴らしい、次の機会はぜひその時期にいらしゃい。」と、何人もの人からいわれた言葉が、数十年たった今でも耳に残っている。それを教えてくれた一人は日本領事館勤務の女性で、「藤竜也は私の甥っ子なの」とのこと
オオルリ
3月からずっと低温が続いたこの春に、まるで借りでも返すかのような6月の高温です。毎朝のように国道を走りながら見上げる札幌岳の頂きも、ひと月前には真っ白く山体を覆っていた雪が消え、山頂の西の肩に僅かな残雪の白を残すだけになりました。実際にそこまで登るとかなりの量の残雪なのだけれど、遠目には小さな逆三角形として日に日に縮んでいき、7月の初めには下界から見えなくなります。真西にどんと構える無意根山はまだまだ大量の残雪をまとっていて、これが消え去るのは1ヶ月以上も先のことになるので、視界から雪が見えなくなったわけではありませんが、これでやっと暦が追いついたことになります。友人のN氏がメールにオオルリの写真を添付してくれました。(勝手にUPしてスミマセン)声も姿も美しいこの鳥は、毎年夏鳥としてはるばる南国から営巣のために北海道を訪れ、見る者に感動を与えてくれます。木の葉が出揃って森が緑で覆われると、澄んだ声だけが響き渡り、なかなかその姿を見つけられないものです。その緑の森の中からは、絶え間ないエゾハルゼミのしだく声を下敷きに、アオバトのワァーオォーというネコのような声や、ツツドリのポポポポンポン