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リュウジョ

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フワッフワのわた雪のようでしょう?

もちろんこの季節にそんなわけありません。
ヤナギの種とそれを覆う綿毛が道端を埋め尽くすの図です。
周りを見渡すと、大きなポプラが数本、ちょっと離れてドロノキとバッコヤナギが数本。この時期にはどの木からも綿毛が風に運ばれますが、このフワフワ具合はポプラに違いありません。

ゆっくり歩いても足元からモワッと舞い上がり、浮遊しているヤツが鼻にまで入ります。しばらく歩き回った自分の姿は、ズボンから頭の上までまるで全身に白カビでも生えたようで、とてもそのままクルマには乗り込めません。
そっと手の上にのせて、鼻息に注意してよ〜く見ると、綿毛のまんなかに砂鉄の一粒よりも小さい黒い種が見えます。でも残念ながら肉眼ではここまで。ここから先の不思議に触れるには顕微鏡が必要です。

想像してみて下さい。1ミリの何分の1の種が、風に遠く運ばれ、舞い降りた土の上で芽を出して成長し、やがて幹周り数メートル、樹高30メートルにも達します。体積比で何億倍になるのでしょう。計算などする気にもならないほどの驚異の能力ではありませんか。

これらヤナギ科の綿毛(ポプラもドロノキも立派なヤナギ科、ちなみにポプラの和名はセイヨウハコヤナギ)をリュウジョと呼ぶのですが、ここではそれが漢字変換できません。リュウは柳ですが、ジョは如の下に糸を書きます。検索エンジンなどでは一発で出てきますが、ここで変換できないのは何故でしょう。何かそれなりのテクがあるのかもしれませんが・・。

指先で少しだけすくい上げてフーッと吹くと、柔らかい風に乗って舞い上がり、薄墨色の空に同化するように消えてゆきました。

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