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冬に向かって

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本州方面ではいまだに猛暑日が続いているようですが、北海道の夏は昨日で終わり、これからは事象の全てが冬に向かって進んで行きます。内陸部の高地では紅葉が始まり、放射冷却で氷が張ったとニュースが伝えていました。札幌ではこの先25℃以上の夏日になることはなく、最低気温が一桁を記録する日も遠からずとの予報です。つい先日までタオルケット一枚でも暑かったのに、先週からは布団に替えて寝ています。 工房の周辺でも、一気に秋の気配が色濃くなりその先の冬の重さが感じられるようになりました。草の根かミミズでも探したのでしょうか、今朝は作業場の前の草むらがヒグマに掘り返されていましたし(画像)、たくさんのカメムシが越冬場所を探してサッシの溝や衣類の中などあらゆる隙間に潜り込もうとしています。 この森にたくさん生えているオニグルミの木は独自の戦略を持っていて、他の木の実が熟さない8月の後半から1ヶ月の間に全ての実を落とします。道路上に落ちた実はクルマに踏まれてパンッパパンッと爆竹のような音で潰れ、その割れた殻の中の油たっぷりの実をついばみにキジバトが集まります。ヒグマもクルミが大好きでボリッバキッと堅

氷厚測定器

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ゆっくりですが確実に衰える身体を騙しながら、日々これあることを幸いにシーカヤックの製作を続けています。 そんな日常に国立極地研究所から変わり種の仕事の依頼が入ってきました。氷の厚さを計測するための測定器やレーザー距離計を衝撃や海水から守るケースの修理です。一般に使われるものでは無いので製品として製作している訳ではありませんが、南極や北極で使用するためこれまでに何台も作ってきました。 今回は南極観測船”しらせ”の備品と予備の2台が送られてきました。南極海でときには数メートルもの厚い氷を割って進む際に、マイクロ波を照射して氷の下の海水面と氷の表面との差から周囲の氷の厚みを算出するものです。昨年は時化で海況が悪く、4メートルの長さになる測定器本体と共に前後のアーム状の部分が破壊されてしまったようです。 電波に歪みが出ないようにするため強度のある金属のボルトなどは使えませんし、解体したらなるべくコンパクトに収まる形状であることなど、いくつかの条件をクリアしながら作ってゆくことになります。それでもカナダの砕氷船での調査では水没して機器のショートが起こるなど、意図しないトラブルも

山笑う、クマも笑う

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サクラは今年もゴールデンウィークを前にして葉桜に変わり、シラカバもカツラもイタヤカエデもみんな黄緑色の若葉を広げ始めました。クルミは枝の先端から雄花の房をたくさん垂らし、エゾノコリンゴの蕾も赤みを帯びてきました。山がモコモコ膨らみながら笑っています。 」 冬の厳しさと引き換えにずいぶん楽しませてくれたサクラですが、日高の沙流川添いでは今が盛りとエゾヤマザクラが青空に映えています。 今朝、工房の前の道路にクマさんの落し物。 真っ黒いコールタールのような宿便ではなく、柔らかいフキをはじめ新鮮な食べものが増えたとみえて1キロ以上はありそうなこの快便。ほんのり湯気があがっていました。 道路の真ん中で無防備に腰をかがめながら、気持ちよさそうにゆるんだ口元と虚ろな目の排便姿勢が何やら想像できます。    

今年も・・

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前述の雪はこの10日ほどですっかり消えて、工房そばの谷地には時を待ちかねていた水芭蕉が白い仏炎包をのぞかせています。 今年も冬籠から目覚めたヒグマがいつもの場所に姿を現しました。体の大きさから若いオスのようですが、足が濡れるのもいとわずに採餌に集中しています。 美味しそうなものがあるとは思えませんが、同じサトイモ科のミズバショウやザゼンソウの苦い根を食べて、長い冬に耐えた宿便を出すのだそうです。 人間の側の事情ですが、法改正があって今年から狩猟圧が高まることが予想されます。不用意に人間社会に近寄らず、孤高の獣としての生を全うして欲しいものです。

遅い春

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何度かドカ雪のあった札幌の街なかよりも降雪が少なかった南区ですが、3月に入ってから続いた低温の影響で遅い雪解けになっています。 市内中心部は数日前に積雪0cmとなりましたが、工房周辺ではまだ数十cmの積雪です。それでも日当たりの良い斜面やこの湿地では、黒々とした土の色が勢いを増し始めました。 この雪解け水の中から顔を出すミズバショウやザゼンソウを求めて、そろそろ冬籠りから目覚めたヒグマが見かけられる頃です。それに厳しい冬を生き抜いたエゾシカたちも、穏やかな陽射しを楽しむように水の中に立ち込みます。