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グリーンモンスター

もとは道路をはさんで小さなゴルフ場と畑だった我が家の向い側が、大規模な宅地造成を経て戸建て住宅団地に変わってからそろそろ10年が経とうとしている。
この地区が市内では有名な西岡公園を擁しているからではあるが、パークサイドとかウエストヒルズなどと名付けたマンションが多く、この団地もパークヒルズと呼ばれるようになった。なんのヒネリもない安直さが、隣人としてはちょっと気になるが、新しい住人が増えたことで良かったこともある。
まず、新築住宅を建てたり購入してこの地に引っ越してきた人達は、子供のいる30代から40代くらいの家庭が多く、ついぞ聞かなかった子供達の元気な声が近所に溢れるようになった。通行車両が増えると同時にバスの本数も増え、我が家の前には新しくパークヒルズ前というバス停すらできた。
もとの静けさは少し消え、キジの高鳴きや蝉のうるささは遠くなったし、窓から見える景色にみどりの割合も少なくなった。
そんなお向かいの団地にも、住宅エリアを広く囲むように、造成の段階から整備された公園緑地がある。
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みどり一色でよく判らないかもしれないが、画像はその緑地の様子だ。整地したあとに適度な間隔で、エゾヤマザクラ、ハンノキ、シラカバなどの在来種を植栽し、住人に木陰と安らぎを提供してくれる空間を狙ったに違いない。
だが、植えただけで放置された緑地の10年後は、町づくり計画そのものをみどりのモンスターに蹂躙されてしまった。すでに手のつけられない状態にまで一帯を覆い尽くしたこいつの正体は、よく知られているマメ科の多年草クズだ。
大きな葉を広げながら、盛夏には1日に1メートルもの成長スピードで地を這い、あらゆるものに絡み付き、そしてやがて枯死させてしまうことを厭わない。
こんもりと見える後方の木々も、かろうじて伸び上がった先端を除いて全体を覆い尽くされているので、枯死してやがて倒れ、遠からず手前のようなフラットな景色に変わる。
あたり一面を覆ったクズは、重たい布団のように覆い被さって高さを奪い、エイリアンのように歩道に浸食してきた。
こいつをやっつけてもとの緑地に戻すことはできるのだろうか?

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