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退院しました

1ヶ月弱の入院期間を終えて退院してみると、季節のあまりの変わりようにびっくりです。病院ではずっとTシャツで過ごしてきたのに、外に出て吸い込む空気はもうすっかり秋の冷たさ。上着をはおる時のちいさな風に、夏から秋へのバトンタッチを見損なった無念さがふと匂うようなきがします。

工房の周辺でも、もう里山の秋が始まっていました。
房状にぶらさがっていたオニグルミの実はすべて落ち、エゾリスがその実をくわえて、冬の備えに走り回っています。ナナカマドの実も、薄黄色から真っ赤に変わりました。キタキツネたちにもきれいな冬毛が生えはじめ、あんなにみすぼらしかった夏の姿から卒業です。

そうそう、卒業といえば、同室の若者たちもそれぞれ退院です。
一日中ヒマさえあれば対戦型ゲームに没頭する高校生に、オヤジの遠まわしな小言や咳払いなど何の効果も無く。さりとて、気まずくなるのを覚悟で爆弾を落とすほどの気にもなれず。それどころか、埋めようのない深い溝に、暗澹たる想いを新たにしました。
美味しくはないけれど、出された食事は残さずに食べるオジサンに対して、「まずいから食わない」と、断固拒否してカップ麺を啜る。トレーの上のごはんやおかずをゴミにしてしまうことの後ろめたさなど微塵もない。わがままもここまで徹底すれば、これでもいいのかと思えてくるから不思議です。

そんな訳で、ゲームの魔力と若者の自己中ぶりに、完敗に終わった入院生活でした。

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