自宅のお隣のKさん宅のヤマボウシが満開になった。北海道には自生しないので庭木ではあるのだが、花びらのような4枚の総包片は純白で、暑い夏が始まる気配のなかにあって、辺りにすがしさを漂わせている。
花が終わったあとにできる赤い実はジャムなどに利用するそうだが、食べたことがないので残念ながら今のところ想像してみるのみに留まっている。
やはり庭木に多い近似種のアメリカハナミズキは、包片の先端がかすかに赤味を帯びたものから、全体にピンクがかったものまであるので、それと較べるとヤマボウシはいさぎよく真っ白だ。
アメリカハナミズキ(英名=ドッグウッド)といえば北米原産でバージニア州の州花でもあるのだが、西隣に位置するジョージア州アトランタの街の花としての方が有名で、街路樹や庭木としてたくさん利用されている。
昔この街を訪れたときには花が終わったあとだったのだが、「ドッグウッドの季節には街中に花があふれてそれは素晴らしい、次の機会はぜひその時期にいらしゃい。」と、何人もの人からいわれた言葉が、数十年たった今でも耳に残っている。
それを教えてくれた一人は日本領事館勤務の女性で、「藤竜也は私の甥っ子なの」とのことだったが、当時の問題作で日本で話題沸騰中の<愛のコリーダ>を見ていなかった自分としては、申し訳ないけれど、フゥ〜ンという反応しかなかったことも想い出した。
今頃はアトランタの街を、大ぶりでゴージャスなドッグウッドの花が被っているのだろうか。