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赤のちから

f:id:norlite_designs:20121026082550j:image:w360:left毎朝の通勤ルートにしている、国道とは川を挟んで反対側にある裏街道。
山肌に朝日があたって、思わず「錦秋」の文字が浮かんだ。
車を停めてカメラを取り出し、レンズを向けようとして暫し躊躇。
どうも例年とは紅葉の感じが違う。鮮やかな紅葉というよりは、全体としてくすんだ黄葉で赤味に冴えも主張も無い。

長びいた夏と冷え込みのない夜は、紅葉の時期を半月も遅らせたばかりか、昇華を迎える山に紅のちからを充分には与えなかった。理屈どおり、やはり昼夜の寒暖差が必要なのだ。

「こんな景色、わざわざ写真に撮るようなものか。」
レンズを構えてはみるものの、その先にある風景にはさしたる感動が無い。
30秒ほど迷ったあとに、1枚だけ撮っておいた。
「来年、また同じ頃に撮って較べてみよう。」

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