あまりにも深く溜め息をついたせいでしょうか、一瞬、その底で息が止まるのでは?という心配がよぎりました。
昨晩、いつものように晩酌しながら夕刊を見ていたときのこと。見慣れた天気予報のマーク以外、1面はたった3つの大きな見出しとその記事で埋められていました。
<大間原発の建設再開> 「2030年代の原発ゼロを目標として新たな原発は作らないが、すでに手を付けているものに付いては継続する」という、先日の枝野経産相の支離滅裂な発言を受け、福島の事故以来凍結していた大間原発の建設が動き始めました。これから作って運転を始めれば2060年まで使うでしょ。完全にロジックが破綻してませんか。旧態然と、立地自治体と周辺には金をばらまき、それ以外の30km圏内や国民の声は一切無視して、「安全が確認されたから」の一点張り。気の毒にも、福島の原発事故以来この国が変わろうとしている空気が読めないんでしょう。
国民を欺いて運転を再開した大飯と名前は似ていても、大間はただの原発ではありません。世界初のフルMOX燃料仕様なんです。世界に先駆けてではなく、世界中があきらめたプルトニウムを燃やす原子炉が、どれだけ危険かは触れられずにいます。
<オスプレイ普天間配備> 開発に参加している訳でもなく、防衛大臣が試乗しただけで安全宣言を出し、国民の声を無視して、形ばかりの岩国経由でオスプレイを普天間に配備。ここでも政府は「安全が確認されたから」の一点張り。問題は機体の安全性でも人為ミスでもありません。普天間基地の異常な危険性に耳を塞ぎ目をつぶり、沖縄県民の悲痛な声を無視して、ここに中国封じ込めの新戦力を投入したい米国の意志におもねる我が国のトップこそが問題なんです。
<野田改造内閣発足> 発表と同時に「論功行賞」「意味不明」の評価。時期衆院選では民主党自らが野に下る覚悟を決めているような、「短くてもとりあえず大臣やっとこう」的無責任さだけが見えてきます。もっとも、政治家が自らの仕事に責任なんか取ったためしがないんだから、何かを期待するのは哀しみを深めるだけかも。
原発もオスプレイも、「電力が必要だから」「日米安保は大事だから」と、本質をすり替えながら国民を欺くだけで、この国のトップは国民を何処へ連れて行こうというのでしょうか。