写真だとまあまあに見えるが、かなりポンコツのキャンパー(よくいうキャンピングカーは和製英語なので国外では通じない)がある。最近では子供達も独立して家を離れ、使う機会も多くはない。それでもあまり長い期間放置しておくと本当に壊れるので、年に何度か乗って出かける。
出かけた先で適当なキャンプ場を探すのだが、これが結構キャンパー泣かせでめんどくさい。まず、車の進入禁止のキャンプ場が多いのだ。そもそも日本の初期のキャンプ場は教育の一環として整備されたケースが多く、整地されたグランドの土の上に整然と軍隊式にテントを並べるのが長いことあるべき姿とされ、仲間同士や家族単位でのレジャーユースは想定していない。管理者が自治体や教育委員会の場合にはいまだにこの手のパターンが多くて、クルマの乗り入れなど風紀や規律を乱すとして絶対に許さない。
子供たちが小さかった頃、小ぶりのキャンパーで全道あちこちに出かけたが、その頃はキャンパーを乗り入れできるキャンプ場はほぼ皆無で、キャンパーでありながらキャンプ場を使えずに河川敷や海岸などで泊まったものだ。
最近多くなった民営や第三セクターのキャンプ場は、キャンプサイトのそばに駐車できるところも多くなって、それはそれで使いやすくて結構なのだが、問題は「オートキャンプ場(オートキャンプも和製英語)」を名乗るところに必ずあるキャンピングカーサイト。
水道や電気を引き込めるのがウリなのだが、1泊6000円〜8000円。確かに新車のキャンパーは高額だから、乗ってる人間も金持ちだと思うのかも知れないが、ホテル代を節約して、安く自由に旅したい、雨降りのテントより少しはマシくらいのカタツムリビンボーキャンパーには払えない。なにより、水も電気もクルマに付いてるから、駐車スペースさえあればいいのだ。
キャンパーを使うもの同士、ふしぎな連帯感があって挨拶や話しかけられることも多く、「一度は北海道旅行を・・」と定年を待って本州からキャンパーで来ている人によく出会うのだが、やはり同じような矛盾を感じていることが多い。
かくして今も、キャンパーで旅行する人はキャンプ場ではなく、道の駅や駐車場で夜を過ごしながら、翌日の予定を立てることになる。