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続々 となりのオヤジ

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今回の痕跡の50Mほど手前の電柱に「熊出没注意」の看板が縛り付けられている。さらに100M手前にも木杭に打ち付けられたものが1枚。そして工房を通り越した先にも1枚。よく見ると取り付けた日付が書いてあり、それぞれ、1年前、3年前、5年前となっている。
目撃通報のあった日に警察が取り付けるのだが、仕事はそこで終り、何年経とうと撤去されることがない。
クルマを止めてまで日付を確かめる人などいないから、「わっ、マジッ!」「やばっ、またあったョ」「このへん熊の巣じゃん」・・となる。
これって、風評の元凶を警察が作ってません?

まあ、それはそれで逆の効果もあって、羆の存在そのものの恐怖や緊張感が働いて、入山者の絶対数を抑える役に立っている。毎年ニュースになる山菜採りや渓流釣りでのトラブルは、その時々に道民に対して警戒を呼びかけることになり、まあ、いわゆる歯止めになってる訳で、北海道の自然環境にとってそれも悪くはないわけで・・。

知床国立公園では駆除や排斥から共生思想にシフトして、空砲やゴム弾による排除、やむを得ない場合の捕獲と奥山放獣など、北米での例に学び先進の試行を続けている。ただ、それは1地域に限ったはなしで、道内一般では旧態然とした場当たり的対処が続く。
アメリカやカナダの国立公園などでは、熊を含めた野生動物との関わり方がほぼ確立していて、観光エリアから1歩足を踏み出してウィルダネスに入ろうとする場合には、徹底したベアプルーフとオウンリスクのレクチャーを与えられ、摩擦を避ける為にあらゆる面で人間の側が賢く振舞うことを要求される。

その文化的差異を掘り下げると、結局、<自由>というものの権利と義務に行き着くし、ほとんどきりがなくなるので残念ながらこの場には馴染まない。

ともあれ、ヒグマの存在が北海道の魅力を更に高めている事実は道民みんなで認めよう。

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