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スネークキャベッジ

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このあいだまで白無垢の襟を立て、さわやかな雰囲気に包まれていたミズバショウの湿地が、もうこの状態。
草丈70cmほどの葉が大きな株になり、やはり今だけこの湿地の主役を務める。

これからも葉は伸び続け、1メートルを超えるほどに成長するのだが、その頃にはこれから猛スピードで伸びてくる葦に隠されてしまい、そんな大きな株があることさえ近くで見ても分からない。
同じように大きな葉をしたサトイモの仲間だと聞けば納得できるが、一般には<夏の想い出>で詠われる尾瀬の清楚で白いイメージが強く、葉っぱに関心を持たれることはあまりない。
サトイモ科の特徴である仏炎包は花でも花びらでもなく、真ん中に立つトウモロコシの食いカスのような黄色い棒が、小さな花をいっぱい集めた花序と呼ばれる。

北海道のような寒冷地でサトイモを栽培されることはほとんど無いが、こいつの仲間は結構ある。ミズバショウと同じく早春に咲き、仏炎包をパラボラアンテナのようにして太陽熱を集め、中心の花序に虫を呼ぶザゼンソウ。コンニャクと同じような茎の肌をしたマムシグサや食虫植物のようなテンナンショウ。

蛇が鎌首をもたげたように見えるからか、北海道のお年寄りは<ヘビノマクラ>と呼ぶ。同じようなイメージからか、英語でミズバショウは<スネークキャベッジ>。

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