やっぱりそうだった!昨日の想像はドンピシャ大当たり。 今日は新しいオトコ(写真上側)を連れて現れた。去年の彼氏は神経質なビビリ屋で、何度か目にしたのはいつも後姿。視線が合ったりすると、その瞬間にルルを無視してすっ飛んで逃げるので、ついに顔つきをじっくり見たことはなかったし、まして写真などカメラを手にする隙すらなかった。だが、今年ルルが選んだ彼はキモが据わって大人っぽい。強い警戒感はあるようだが、若いメスの手前、意識して落ち着いた動きをすることで不安を押さえ込んででもいるかのよう。近くに現れた人間に緊張しながらも完璧にリードしている。 スリムだがルルよりもひと回り大きめの体格。眼の色は明るくややタレ目だが、面構えもいい。「なかなか頼りになりそうな、いいオトコじゃないか」 娘のムコ選びでもしているような自分にふと気付いてうす笑い。「仲良くやれよ。元気でな。」 ちょっといいシーンを見たようで、すこしふくよかな時間の余韻がまだ続いている。
Blog
胎内時計
昨日きれいに除雪した工房の前を、夜のあいだに降った雪が数センチ覆っていた。やわらかいキャンバスの上には無数の足跡。1頭だけの足跡ならいつものことだが、これはルルだけのものではない。ゆっくり歩きながらじっくり観察する。雪面にはっきり残った爪痕の様子や足の運びを読み取りながら、少し前のこの場所での出来事を想像すると、頭の中に映像さえ浮かんでくる。 重なった足跡の新しいものから、足の形を後ろにたどり、時間をさかのぼるようにイメージを膨らませる。 そしてそれを逆回しにすると・・・こうだ。道路の向こうの除雪で盛り上がった雪からずり落ちるように降りてきた2頭のキツネは、除雪されて歩き易い道を横切り、工房の前までトロットでじゃれ合いながら入って来た。桜の木の下まで進んだときに、前に回りこんだ彼をルルは気の無い素振りであしらい、ちょっと逃げる振りをしてみせた。奥の物置の傍で、追いついた彼とお互いに立ち上がって前足で突きあったあと、アハハアハハと笑いながら(?)しばらく追っかけあって、新雪の中に二すじの溝を残しながら西側の尾根に向かって消えていった。(全ては勝手に擬人化した想像に付き・・。)そう、キ
啓蟄
啓蟄(けいちつ) 二十四節季のうち地中で冬をやりすごした虫たちが、春の到来を感じて地上に姿を現す候。 暦の上の啓蟄は3月の初旬だが、この国の中枢ではなにやら原子力ムラの住民たちが蠢きはじめた。2030年までに原発ゼロをめざすとした前政権から、それをご破算にして再稼働を目指し、エネルギー問題をも考え直すという自民党の政権復帰を慈雨とみたのか、福島原発の事故で等しくショックを受けて口をつぐんでいた学者や官僚が、何も変わっていないロジックをおそるおそる低いトーンで語り始めた。フクシマでは何も事態の好転が無いまま汚染水だけが大量に増え続け、これを本当に収束させる技術を人類が持ち合わせないことを浮き彫りにしてくれる。嘘やごまかしで繕った原子力政策という赤信号だが、皆で渡っていたのだからという過去を言い訳に、東電も官僚も学者も政治家も誰ひとりとして己の責任を認める者が無い。それどころか「出続ける猛毒のウンコの処分方法も埋設場所も闇の中なのに」との問いに、原子力委員会の近藤委員長がいみじくも答えてくれている。「そもそも人類が後始末の問題まで解決した上で使い始めたエネルギーや技術など無いのだ」と。「セ
増えるエゾシカ
全道で増え続けるエゾシカが問題になっていますが、札幌市内でも例外ではありません。 毎日通いなれた道の周辺でも、数年前から姿や痕跡を見かけるようになりました。 今朝は塀に沿って植え込まれたオンコ(イチイ)の生垣の傍で、立派な角の雄鹿が疲れきってへたり込んだまま動けなくなっていました。この数年で下半分のオンコの小枝と葉は食い尽くされ、首の届く範囲は丸坊主の状態。 交通量の少ない夜間に道路沿いで採餌することはあっても、夜明けには道路や人家から遠ざかるのが常ですが、空腹に力尽きて座り込んだのでしょう。目は虚ろでちからなく、2メートルほどに近づいても排斥の意思すら示せません。 この位置から15メートルほど先の道路脇で1年前に1頭の雄が同じように行き倒れ、夥しいカラスやキツネが群がって盛大な宴があったのを想い出します。 次の写真は、豊平川対岸の南向き斜面で盛んに餌を探す2頭の雄。上側の鹿が首を伸ばしているのは、すっかり樹皮を食い尽くされて白い肌が剥き出しになったイタヤの幹。この画面の50メートルほど上側にも2頭の雄が、また1kmほど離れたところでも3頭の雄が確認できました。 力
嵐が去って
先月の成人の日に、東京をはじめ本州各地でパニックを引き起こした降雪の記憶がそうさせたのでしょうか、3日前の降雪予想には関東近辺に緊張が走りました。前日から飛行機の欠航や電車の間引き運転が発表され、欠勤や覚悟の早出出勤の様子をニュースが伝えていましたが、都心部では雪がちらついた程度で、ほとんど雨の積雪無しという肩透かしの天気になったようです。その時に関東の東太平洋上にあった低気圧は、発達しながら北海道の東の海上まで北上して、日本海とオホーツク海を進んできた2つの低気圧と合体する様相となり、1日遅れで北海道と東北に冬の嵐をもたらしました。年明けからずっと少雪で楽チンな毎日を過ごしていたのですが、昨日と一昨日は除雪作業の連続。結局例年を超える積雪深になってしまうと、口から出るのはお馴染みの台詞。 「やっぱりなァ、そうは問屋が卸さない・・ってか!」それでも1日あけて今日は晴天。<さっぽろ雪まつり>をはじめ、小樽や旭川など全道各地で開催中の冬フェス関係者は疲れと安堵で脱力気味でしょう。嵐は遠ざかり、アスピリンのような粉雪と激しい風が、地上の全てのものの輪郭をやさしい曲線に仕上げて去っていきまし