酒と肴を囲んでN氏の若かった頃のことを話していた。 今から40年以上も昔のことを・・。大学入学のために上京し、とりあえず同居予定の兄貴のアパートを訪ねると、中がよく見えないほどのタバコの煙が漂う部屋で、兄貴と知らない同居人達がコタツで麻雀を打っていたそうな。 「いいところに来た。持ってる金を出せ」と言われて親から持たされた大事な金を巻き上げられ、そこにいた皆で出かけてメシを食い、呑み屋で飲んで一晩でスッカラカンになってしまったという。そんな話の合いの手に「バンカラだったんだな」と入れると、すかさず20代の若者たちが「バンカラってナンすか?それって犯罪でしょ。」と反応した。「え?バンカラが分かんないってか? う〜ん、そんならハイカラは分かるか?それもだめか。<ハイカラさんが通る>ってマンガがあったろ・・。あのなあ、ハイカラはハイカラー、つまり上品でセンスがいいってことだ。モボ・モガの後、戦前戦後に流行ったんだけどな、それに対してえ、粗野で野蛮なやからをバンカラって云ったんだな。だいたい男なんて精神が一本通ってさえいれば多少不潔なくらいがかっこいいと思われてた時代だ。キレイ好きな男なんてサ
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寒中食事会
一昨日の朝のこと。いつも通りの通勤途中にふと目に留まった。 道路から畑を挟んだ50Mほど先の灌木の斜面に大量の血痕。その中心には倒れて腹部をあばかれた立派な角のエゾシカ。周辺の木の枝には夥しいハシブトガラスが止まってやかましく鳴き交わし、地面では30羽ほどが雪上の屍骸から真っ赤な肉を喰いちぎっている。こうした光景には以前にも会った。この場所から200Mほど先の道端で、餓死したエゾシカの遺体にカラスやキツネが群がって盛大な鹿肉パーティーがもようされたのだ。 そして翌日には、あたり一面すり鉢状に雪を沈めるほどの足跡と僅かな骨のかけらだけを残してその一幕を終えた。いつもなら後部座席にカメラバッグが転がっているのだが、この日に限って運悪く自宅に置いてきた。 この光景は明日にはきっと消えてしまう。暗くなるまではこのカラスどもが、そして朝までの闇の中ではキツネたちが、氷点下20度近い冷え込みのなか、凍れて歯が立たなくなる前に喰らい尽くすだろう。朝になれば、引きずれない大きな骨だけを残して、肉や内蔵はきれいに他者の命に移り変わる。そして昨日の朝、カメラを用意してクルマを停めた。降りしきる雪のせいもあ
穏やかな年越し
すでに何度も雪に悩まされましたが、今年の年越しは穏やかに推移するようです。 今日、大晦日は久しぶりの晴天で、札幌市内ではプラス気温になった模様。今年最後の除雪に出かけた工房の寒暖計は、プラスでこそないものの上が−1度、下が−20度を示していました。ところで、今年の南極は海氷に悩まされることも少なくて、<しらせ>も順調に昭和基地まで辿り着けたという情報が入ってきました。昨年は何とか行けたようですが、その前は2年連続で断念しましたから、やっぱり今年は穏やかでラッキーだったのでしょう。 昨日の昭和基地の気温は上が+3、5度、下が−2、4度だそうで、夏冬が反対だとしても、この札幌と較べるとうらやましい程のうららかさです。
・・ぶり。・・ぶり。
クリスマスを挟んだこの週末の3日間は冬の嵐となり、全道でバスや列車の運休をはじめ、飛行機も全便が欠航したようです。千歳空港のロビーでは6000人もの人たちが毛布にくるまって眠れぬ夜を過ごしたそうで、気の毒でもありますが、北海道民としてはなにやら申し訳ない思いさえ感じてしまいます。それにしても、最近のニュースでは・・・ぶりとか・・以来とかが多くありませんか? ざっと想い返しても、10月の初雪としては◯◯年ぶりの多さ、11月の積雪としては60年ぶり、12月の積雪量は50年ぶり。 線路の除雪ができなくて市電(路面電車)が1日中運休するのも大正13年の除雪開始以来等々・・。 とはいってもこのところの大雪は札幌周辺と上川地方北部に限定されるようで、その他の地域はむしろ少雪で推移しているそうです。平年なら25cm程度の札幌が1m近い積雪なのに比べ、豪雪で話題になる岩見沢では35cm、十勝などの太平洋側や道南では数センチか積雪ゼロだそうです。 ニュース番組を作る側にすると、インパクトのある画像と共に、その絵面により説得力を持たせるような統計データやエピソードを入れ込んだコメントを用意するのは当然のこ