冬のキャンプは焚き火がありがたい。というより、焚き火がなければ成り立たない。なんとなく取材の為のキャンプをすることになった。 正直なところ、冬場の呑み会は建物の中で蒔ストーブを囲みながらというのが定番なのだが、焚き火を熾すとつい寒さを背にして手をかざしてしまう。そればかりか、その火を真ん中にしてイスを引き寄せ、誰とはなく座り込んでビールのプルリングに指先をかける。撮影を手みじかに済ませ、役目の終わった焚き火だが、揺らめき昇る炎に視線を吸い寄せられる。こんな時だ。イスの背もたれに寄り掛かりながらうっすら思う。「ああ、薪を作っといて良かった。また来年用も作らねば、、」
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ミスマッチ!
ものには相場というものがある。 原材料価格と製造コスト、それと流通・販売の手数料、さらに応分の利益を加えたものが適正価格ということであれば、この子供用のソリは明らかにその枠組みから外れている。そもそもが製品にするつもりなどほとんど無く、我が孫たちを乗っけてやりたい想いだけで作業を進めてしまったのだ。ただハンドルだけをつけた手押しソリから、4点式シートベルトや風防付きのカウル、それに雪の無いところではカートにもなるキャスターをセットしてなかなか面白いものが出来た。何台か作って身近な人に使わせているくらいの時点では、いくら手間が掛かっても笑顔をみているだけで良かったが、販売店の店長にこれを販売する話を持ちかけられたときにハタと気がついた。これをまともな工賃や手数料を加えた設定とすると、10万円を大きく超える販売価格になる。 それでも本当に良いもの、ほかに無いものは高価でも欲しい人が必ず居るというが、根がビンボー人の自分的にはたかがソリと思えば罪悪感さえ感じてあり得ない価格だし、もし金があっても絶対に買わない。「どうせこんなもの店に置いたって買う人なんかいないし、まあ展示スペースが面白くなる
ミナミタラバ!再び・・
平成最後の年越しと繰り返されるから余計にそうなのか、いつにも増してこのところ大晦日というゴールを目的化したようなラジオ通販番組がかまびすしい。 毎日否応無しに耳から入るいろんな告知のなかで、聞く度に不愉快になる商材がある。 ・・・・・・ このあと30行ほど書き進めてから、ふと気になって昨年の文章を確かめてみた。(2017年12月23日記)一言一句とは言わないが、まるでおんなじ文章ではないか。まあ、同一人物が書く文だから、似たような内容になるのは当たり前と言えば当たり前。せっかく書いたのに、なんだか徒労感が湧いてきて消去してしまった。南米パタゴニアの港町、プンタレナスやウシュアイアのメルカードで食べたセントーヤのこと、日本からカラ船で買い付けにくる漁船のことなどを想い出しながら、また来年の年末にも不愉快な思いで聴くことになるのだろうか。 日本のYENと日本人の胃袋が現地のバランスを壊し、それがしっぺ返しにならないことを祈りたい。
窓の外、いつもの冬の朝
初雪?
8月17日、大雪山の黒岳に早い初雪が降ってから3ヶ月。遅れに遅れていた札幌の初雪がやっと観測されました。 11月20日という遅い初雪は明治28年以来、128年ぶりのタイ記録だとか。昨夜暗くなってからの小雨に、夜半すぎてからミゾレが混じったのを初雪と確認したそうなのです。しかしその程度のミゾレが朝まで残っている訳もなく、うららかな朝日に目覚めたときにはその気配すらすでに消えていました。 気象台発表の記録としては、それに異議を唱えるものではありませんが、自分の中の初雪のイメージとあまりにも違って、これをすんなり認めることはできません。 「降り続く雨が氷雨に変わり、覚えのある静けさに予感と共に目覚めると窓の外は純白の世界」というのが北国の正しい初雪でしょう。どこにも白さが無いのに初雪といわれても・・。 これを書いている午前10時にはもう消えましたが、朝、山の工房に来たときには日影の笹の葉に白い雪が残っていました。札幌の街にはともかく、街よりも幾分気温の低い工房周辺ではこれが遅い初雪ということになるでしょう。