仕事に使っていたクルマを乗り換えることにした。
大きなトラブルも無く、二十数年間で30万キロ近く走ってきたランドクルーザー80だ。何度かの日本縦断に加え、北海道の隅々まで走り回っていつも一緒だった。
加齢による体力の低下は否定し難く、若い頃なら一人で何ごともなくルーフトップできたカヌーやタンデム艇を積みにくくなり、仕事場の外の柱にミニクレーンのようなホイストを設置して、まず吊り上げてからクルマに乗せるという二度手間が避けられなくなっていた。
ちょうど車検のタイミングでもあったし、いっそのことハイエースのバンにオーバースライダーというキャリアを取り付けてやればその方が簡単そうだし、最近増えてきた分割艇も個別に梱包したものを荷室に難なく積み込める。
こう決心してクルマを探す段になってハタと気付いたのが、これまで全く考えもしなかった自分自身の残り寿命だ。新車を買ったって20年も乗れるわけじゃない。免許返納を言われる80歳にもなってバンは無いだろう。カヤックを積んで長距離を走るような今の仕事が続けられるとして、とりあえず5年、上手くいったって10年か?よし、程度はソコソコの中古車を見つけよう。
北米を除く世界中で一番多く乗られているハイエースだ。タマ数も多いから適当なバンはワリと簡単に見つかった。その納車と相前後して、これまで親しんだランクル80が売られていった。
中東をはじめアジアやアフリカなどでは、30万キロ程度の走行距離など問題にならないくらいランクルの人気は高いそうで、なんと百万円近い買取値がついた。
乗り換えて改めてランクルの性能に感心する。力強さやトータルなバランスから生み出される雪道での信頼感は、やはり自分の仕事にはこの上のないものだった。
別れたオンナはいい女、、、今更どうにもならないが、日本よりももっと過酷な環境で更なる活躍を願うとしよう。同時に思う、自分自身ももう少し頑張らねば!