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AINU ART

webで予約が取れたので、昨年夏にオープンした白老の<ウポポイ>へ行ってきた。

 

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昔からこの場所には観光施設としての<ポロトコタン>があって、いくつかのチセがあり、土産物や木彫品を売ったり踊りを見せたりしていて、いわゆる観光名所ではあった。

僅かずつだが時代は進み、アイヌ民族が先住民であるという自明の事実が法の後ろ盾を得ることになって、国の手により学習施設としての色合いを持たせようと作られたのがこの施設だ。

 

虐げられてきた歴史をことさらに強調する訳でもなく、かといって観光客呼び込みにのみ重点を置いた訳でもない。施設そのものは「国がやればこうなる」と言わんばかりの金の掛けようだが、収蔵品やアトラクションを含めて概ね目的に近い線をクリアしたように見える。

使い古した生活雑器や祭事用の衣服など旧態然とした展示ばかりではなく、その技法を受け継ぎ発展させる現代の作家達の物言わぬ努力が美しい。

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元の場所に立ち並ぶ数棟のチセは、外観こそ茅葺だが建築基準法や消防法、加えてこのところのコロナ禍によって、建物自体が生活感の無い大きな空間になってしまった。

 

 残念なことにこのタイミングで、TVのワイドショウ<スッキリ>のゲストが「あ、イヌが来た」とやったらしく、SNSが炎上しているという。北海道出身者である司会者の加藤が即座に反応して否定せず、薄笑いしていたということが悲しい。

 

とはいえ、年間パスポートを買ったことだし、また時間を作ってじっくり見てみたい。そんな気にはなっている。

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