冬のキャンプは焚き火がありがたい。というより、焚き火がなければ成り立たない。
なんとなく取材の為のキャンプをすることになった。
正直なところ、冬場の呑み会は建物の中で蒔ストーブを囲みながらというのが定番なのだが、焚き火を熾すとつい寒さを背にして手をかざしてしまう。そればかりか、その火を真ん中にしてイスを引き寄せ、誰とはなく座り込んでビールのプルリングに指先をかける。
撮影を手みじかに済ませ、役目の終わった焚き火だが、揺らめき昇る炎に視線を吸い寄せられる。
こんな時だ。イスの背もたれに寄り掛かりながらうっすら思う。「ああ、薪を作っといて良かった。また来年用も作らねば、、」