2週間ほどのカナダ・アメリカの旅を終えて帰ってきました。時差のせいで、頭の奥に倦怠感がボーっと残っています。
カナディアンロッキーでは3日ほど雪の日もありましたが、40年の時間を全く無視してくれる美しい森や湖や岩肌の氷河、気が遠くなるような大平原、大切にされている旧い街並みやパワフルに発展する都市のダイナミズムに触れて、ひとつひとつがまた良い想い出になりそうです。
それはそれとして、前回のこの欄を見てくれた何人かのひとから、ありがたいことに「あれはどうなった?逢えたの?」と訊かれます。40年前にわれわれ若い夫婦がたいへんお世話になった、当時カルガリー在住のJoeファミリーの消息は判ったのかと・・。
結論から云うとNOでした。
ここ数十年で劇的に発達した情報社会に、もしかしたらと期待を込めて、いちおう毎日メールをチェックできる環境を確保してはいました。反応がまったく無かった訳ではありません。1件はバンクーバー到着時に受信した、何かの宗教への勧誘を示唆するようなメール、もう1件はバンフ滞在中に受けたメールで、<必ず探し出してみせます>という商売人からのものでした。もちろん両方とも丁重にお断りしましたが、その後に届くメールはありませんでした。
当初より、何が何でも見つけ出すというつもりはなく、このネット社会が何かの拍子にちょっとした奇跡を生むかもしれないという可能性に賭けてみただけでした。あまりに永い時間を経て、その生死をも含めてお互いの人生は埋めようもない距離になったのかもしれません。
日常に戻ってきた今、時差ぼけの頭とは対照的に、気掛かりだった小さなことにけじめがついて、いっそさわやかにアルバータをより好きになりました。
まあ、でも、ほんとはチョッとだけ・・・・たのですが。