Blog

南極から

日本と南極の昭和基地を結び付けている<しらせ>に搭載されたEM(氷厚測定器)の防水ケースが、国立極地研究所を経由して戻って来た。

f:id:norlite_designs:20170618092111j:image:w340:left

奴凧のように前後に長く突き出した送受信部を、結氷や衝撃から守る袖のようなカバーの基部が割れた。
壊れた状況や原因は判らないが、基部に欠損が認められるので、斜め上から衝撃が加えられたようだ。
このままでも使えないことはないが、このザクザクに毛羽立った部分に着いた水分が凍りつきだしたら、場合によっては巨大な氷塊にならないとも限らない。この上下のパーツを作り替えることにしよう。

自分では絶対に行けない場所で、自分が作った道具が使われている。
こうやって修理に戻って来た現物を見ると、想像と知見を注ぎ込んで作ったつもりでも、想い至らぬ原因で壊れることを示してくれるし、完璧とは決して云えない未熟さをもの言わず突き付けてくる。

誰も作っていないものは、それゆえに満足できる一線を見つけにくい。改良点は際限なく出てくる。

月別アーカイブ