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カイコウラ

2011年2月22日、ニュージーランドのクライストチャーチを襲った地震の記憶があるだろうか。語学学校に通っていた28人の日本人が、ビル崩落によって亡くなったといえば思い出す人も多いはず。
その犠牲者の弔いが済まない翌3月11日、日本では東日本大震災が発生し、甚大な被害を引き起こした大津波に加え、3基の原発がメルトダウンするなど、海外のニュースが伝えられる隙間など全く無かったのも事実。

それから5年が経った今年の春、訪れたガーデンシテイーの名を持つクライストチャーチは、草花こそ美しく咲いて迎えてくれたが、街のシンボルでもある崩落した大聖堂をはじめ、惨禍の傷痕が市街のあちこちにたくさん残っていた、
しかし、この街の人達のはっきりとした、それでいて力みの無い、暮らしの再建に向けた確かな歩みは、何の力にもなれない自分にも心から応援したい気持ちにさせてくれた。
使い物にならなくなった大きなビルはあちこちで解体され立て替えが進んでいたし、壊滅した商店街はコンテナの仮設店舗を連ね<Re START>(再出発)というモールとなって賑わっていた。

その後も数えきれない余震に耐えていたニュージーランド南島が、先月半ばまたも強い地震に教われた。今回の震源域はクライストチャーチから100kmほど北の太平洋岸、クジラやイルカのウオッチングツアーで世界的に有名なカイコウラの近くのようだ。
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夕食後、同行した友人が作ってくれたカイコウラの動画を家内と一緒にちょうど見終わったとき、ニュース速報が入ってカイコウラの名が流れた。
日本と較べて人口密度の極めて低い彼の地のこと。幸い人的被害は少なくてすんだようだが、観光客で賑わうあの海沿いのレトロな商店街は津波に襲われたという。
画像はマッコウクジラが潜水を始めた瞬間だ。このクジラは一旦潜水すると2千メートルもの深海を目指し、ダイオウイカなどの獲物を追って数時間も浮上しないそうだ。ということは。港や街が並ぶ海岸からいくらも離れていない海の底がそれだけの深さを持っているということ。
その根元に日本海溝を持ち、近海でいくつものプレートが潜り込みズリ上がりして、ひっきりなしに地震をもたらす日本の地形とあまりにも似ているではないか。そう考えてみると人口こそ少ないものの、ほぼ同じような大きさの国土の成り立ちもプレートテクトニクスで説明がつく。

他山の石としてはならない。南北の違いはあれ、火山と温泉と美しい四季に恵まれた、しかし地震や津波のリスクも持つ両国の火山研究者が、共に研究を進めることにならないだろうか。

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