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思い立って、思いきって、

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<ANA羽田・シドニー直行便12月就航記念オーストラリア6日間の旅>の見出しを見つけた家人が、「申し込んでみようか」と、ぽつりと言ったのはたしか9月の初め頃だった。すぐにネットで申し込んだらしいがキャンセル待ちを告げられ、現実味が薄いまま日を過ごすうち、ふいにキャンセルが出たとの知らせ。
留守中の事、この先のことを考えて躊躇はしたが、結論は「じゃあ、思いきって行って来るか!」だった。

ずっとまえから、時間をたっぷり作れたら、若い頃にアラスカをカナダをメキシコを走り回ったように、オーストラリアのアウトバックを思う存分クルマで走ってみたいと思っていた。思ってはいたが、それは具体性の無い漠然とした希望で、それは、いうなればあのころへの追憶を含んだ負け惜しみだったのかもしれない。

で、この度のシドニー行き。2日のフリータイムにはレンタカーを借りてちょっとでいいからアウトバックに身を置いてみよう。
そんなプランは、資料を検討する内にあえなく潰えることになる。オーストラリアはあまりに広い。1日や2日走っても行き着いて帰って来られるものではなかった。最低でも1週間くらいは必要だ。
そうだ、この時期なら<しらせ>がシドニーに寄港しているはずだ。電話やメールでしか話してはいないが、もし秋に送った氷厚測定器の防水ケースを使う観測担当者に会えるようならひやかしに行くのも面白い。そう思って調べると、なんと今年に限ってシドニーではなくパースに寄港し、すでに昭和基地に向って出航した後だった。

結局、博物館めぐりや市内各所の欲張り散策に自由時間を費やすことになったが、脚の痛みと共に、シドニーからたくさんの小さな満足を持ち帰ることができた。

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