<つらくね?20代の現実> ・・去年のいつ頃だったか、確かそんなタイトルの特集記事を新聞で見たような気がします。
安倍総理をはじめこの国の大人達は「経済成長よ再び」と、頭の隅にあの高度成長期の記憶を映しているようですが、いまの<20代>は、昭和が平成に替わり、バブル経済が破綻してからの空白・沈黙・後退の時代に生まれそして育ってきました。
この世に生を受けた瞬間から身に覚えの無い借金を背負わされ、それは今でも増える一方。人口構成比でキノコの笠のようなオヤジの世代を見送るまで、細い石突のような若い世代が支えなければなりません。税金のかたちで、死ぬまで借金払いを続けるのは覚悟の上としても、この国はそれまで崩壊せずにバランスを保てるのでしょうか。
オヤジ達は言います。
「なんだかなあ。若いのに覇気が無いんだよ。スマホばっかりイジッてないでもっと若者らしく元気出せよ。例えばァ?例えば海外に出ていろんな体験してくるとかさあ。行く気になればどこでも行けるじゃねえか。少々円安になったって1ドル300円だった俺たちの頃に較べりゃ天国だ。」
「んじゃ、将来の夢とかさ、これだけは絶対誰にも負けないって自慢できる趣味なんかないの?」
「エッ! クルマも免許もいらないって?信じらんねえな。俺たち若い頃はメシ喰うの我慢してまでガソリン入れたもんだぞ。女の子できたってどこも行けねえじゃねえか。」
20代だって言いたいことはあるんです。
「冗談じゃないですよ。何かって言うとすぐに元気がないっていうけどさ、好きでこんな時代に生まれてきたんじゃないんすから。年寄りがつかえてっから俺たちなかなか就職もできないし、やっと採用になっても非正規だ。結婚して子供なんてそれこそ夢ですよ。」
「俺たち生まれる前からあった原発だって、昭和の高度成長を支えたかもしれないけど、フクシマが片付くのは早くて俺達が還暦を迎える頃。他の原発が次々廃炉になるのは俺たち死んだ後だ。しかも今は誰も言わないけど、廃炉に掛かる費用は天文学的数字になる。そのうえ最終処分は俺達の世代にマル投げって・・。無責任にもほどがあるでしょ。」
「でもまあいいっすよ。あと30年もして、あんたたちがみんな居なくなってくれるころには、膨らんだ借金は残るとしても、人口が減ってゆっくり暮らせる・・ってね。みんなで手をつないでゴールするような、競争をしないと揶揄される我々ゆとり世代も、その頃になれば過去を清算して、クリーンで本当にゆとりのあるこじんまりした国にしていきますよ。」