南極は今が夏とはいえ、このところの北海道は昭和基地よりもずっと寒い日が続いています。
札幌も歳の暮れから今日まで一度もプラス気温にならずに真冬日の連続です。
工房の朝は−15℃以下、昼間も−5℃を上回らないせいで、水分のあるものは何もかもがガンガラガンに凍りついています。
夜間は無人で火の気のない工房では、絶対に凍らせたくない飲料水を冷蔵庫に入れておくのを忘れると、翌日お茶も飲めないことになるのです。
冷え込んでいるときに外で深呼吸してはいけません。肺がビックリして咳が止まらなくなります。
何でも素手で触ってはいけません。うっかり冷え切った金属にさわると一瞬で凍りつきます。もしもくっついてしまったら自然に解けて離れるまでジッと我慢です。焦って剥がそうとすると手の皮がそこに残ります。
北国の暮らしにはいろんな現象に対する処方箋が必要です。
写真は先日出かけた旭岳の中腹。晴れていれば正面にドーンと旭岳ですが、この日(7日)は、あまりに細かくて雪とはいえないほどの氷の粒が無数に舞う雲の中です。夏ならばこの状態は<ガス>と表現され、ナメて雨具を着ないでいると霧状の雨粒で全身ビッショビショになってしまいます。
霧氷、氷紋、氷柱、雪紐、冠雪 etc etc. 難儀な除雪に毒づくばかりではなく、冷気と水分が生み出す無数のパフォーマンスに目を向け、楽しんでしまおうではありませんか。