北極の海氷調査を終えた大学の先生から、帰国の知らせと共に氷厚測定の際の画像が送られてきた。先日来、衛星画像などで報道されているが、北極を覆う海氷はこの夏かつてないほど狭くなり、船による調査自体も大変だったようだ。砕氷船のクレーンから吊り下げられた、試行錯誤のオレンジ色の物体(7月2日記)は役に立ったのだろうか。
週末の22,23両日共この時期にはめずらしい好天に恵まれ、積丹の海に集まったシーカヤッカーにとってはラッキーな2日間となった。例年比で4℃も高いという海水温は泳げるほどで、海辺に秋の気配はどこにもない。
秋鮭の定置網に大量のマンボウやジンベイザメが入ったとか、大雪山の紅葉がさっぱり進まないなどのニュースが続き、これを地球温暖化とみて異常気象を警戒するトーンの報道がやまない。
せいぜい数年から数十年の記憶しかない人間の感覚は正しいのか。確かに記憶や記録に照らすと異常と言えるかも知れない。しかし、一方でこの程度の振幅は問題とすることさえ憚られるような地球の記憶がある。ベーリング海は陸橋によってシベリアとアラスカを結んだし、地球全体で内陸深くまで海が入り込んだこともある。つい昨日、地球上に一気にはびこった人類が出す二酸化炭素が、この天体に風邪をひかせたと決め付けるのが正しいのだろうか。
今の状況を温暖化の進行と見るのか、原因が人間に起因するのか、学者の論理も両論あるが、真実は闇の中。
私達も納得し易いロジックに寄り添おうとしてしまうのだろうか。