阿部幹雄さんが講師で、北大・朝日新聞・HTB共催の南極講座を聞きに北大に出かけてきた。前回で懲りているので、今日は一人で歩いて入る。
のんびり歩いても汗がふきだすような厳しい残暑だが、北13条通りのイチョウ並木の下は優しい空気がゆっくり動いてくれていて、それだけでちょっとうれしい。
事前申込みが必要な子供対象の講座だが、会場は子供達と保護者で満席の盛況だった。
昭和基地からも遠く離れた、南極のセールロンダーネという地域で、3年連続夏のシーズンを調査活動で過ごしてきた、写真家でもある阿部さんならではのスライドを交えた判り易い話で、子供も大人も飽きさせない内容だ。加えて、そのプロジェクトのために阿部さんが開発し、山崎直子さんや野口さんが宇宙にまで持っていって寿司パーティーをして食べたという特製の携帯食の試食をしたり、南極の氷の音を聞いたり融かして飲んだりした。
子供連れでイベントや講座に参加する場合、得てして親の方が積極的で子供のノリが悪いことが多いのだが、今日は子供達にとっても有意義な時間と体験だったようだ。
子供達の質問タイムが面白い。
「オーロラや星空はきれいでしたか?」
「あのね、南極の夏はずーっと太陽の沈まない昼間だから、残念だけど見れないの。」
「オシッコやウンチはどうするのですか?」
「大きな基地ではちゃんと処理するけど、内陸の探検や調査の場合は生物分解するビニール袋に入れて置いてきます。これが氷河と一緒に何万年かしたら海まで運ばれ、そしてプランクトンのエサになります。」
「帰ってきて日本がいいと思ったことは?」
「3つあります。ひとつは夜があること、それから蛇口をひねるとお湯や水がでること、もうひとつはお金が使えること。これは素晴らしいことなんです。」
阿部さん、お疲れさま。いい時間でした。