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うばゆり

f:id:norlite_designs:20030702050001j:image:w360:leftアーティチョークって知ってますか。アメリカの大リーグ観戦などの際、ホットドッグやポップコーンと共に、茹でたアーティチョークが売られます。
日本ではあまり見かけませんが、大人も子供も大好きで、茹でたガクを一つずつむしって食べるのが大好きなようです。われわれ日本人が枝豆やゆでトーキビでも食べるようなもんでしょうか。
全く違うものではありますが、森の中のウバユリが、今、そのアーティチョークにそっくりな形になってます。(写真) でもこれは実ではなく花のつぼみなので食べられません。

まるで南洋の食虫植物みたいに、濃い緑に血管のような赤い葉脈を這わせて、春真っ先にぼこぼこと地中から盛り上がり、やがて赤味を消しながらその中心に1本の花茎を垂直に立ち上げます。与えられた環境でその育ち方は大きな差がありますが、小さなもので30〜40センチ、育ちの良い株で60〜70センチの高さになると、その位置でしばらく垂直方向の伸びを休め、次々に大きな葉を出して笠のように広げます。初夏の森の中には、太い1本の足に支えられたちいさなテーブルがたくさん出現するのです。このとき、水平にひらく葉が重なることのないように3枚で1周するのですが、ちょうど120度ではなく、少し余分な135度ほどになっているので、次の3枚目の葉が上に来たとき下の葉が影にならずにうまくずれるような仕掛けになっています。

いま、そのテーブルの上にできた大きなつぼみが、いっきに天に向かって伸びていこうとしています。これからは10日間ほどのあいだに垂直方向最優先で伸び始め、下のつぼみから順番に開きながら、1〜1,5メートルほどの高さに10〜20の花を咲かせます。ユリ科であることをはっきり示すような白い花弁を水平に突き出し、甘い香りで昆虫を誘うのですが、このときもやはり葉と同じように3段で1周するような角度で花をつけています。高さもあって日陰の心配もないのに何故でしょう。
よーく見てると判ります。虫が入りやすいように横向きの花は、受粉が終わるとすぐに花びらを落とし、雌しべがまるで勃起するかのように上を向くんです。そしてその先端に種を育てる大きな袋を付けるのですが、そのときやはり上が下のじゃまにならないようにうまくできてるんです。

どこにでもあるこのウバユリ。よく観察すると判らないことや面白いことだらけ。とても一度には書ききれないので、来年の春から、その時々のウバユリの不思議をお伝えしてみましょう。
そうそう、ウバユリのウバは乳母のこと。成長して花が咲く頃には葉=歯がなくなるから・・。 若い人には分からないでしょうね。

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