
今年の紅葉の不甲斐なさを昨日ぼやいたばかりだが、がんばって紅の極みに届こうとしている街路樹のヤマモミジに出会った。 このカエデにはたくさんの種類があるが、葉っぱのかたちに特徴があることから誰でも知っているし、亜寒帯から温帯にかけてこの仲間は世界中のどこにでもある。 冬に葉を落とす前の鮮やかな紅葉が、古来より歌に詠まれるほど日本人の深層や色彩感覚に大きな影響を与えているのも否めない。 不景気風と個人主義のせいか最近でこそあまり聞かなくなったが、およそ風流とは縁遠い北海道民でも、この紅葉の時期に「観楓会」と称する行事が欠かせなかったものだ。(もっともたいていは忘年会の予行演習のようなもので、温泉に泊まって夜更けまで呑んだくれるのが目的だから、せいぜい行き帰りの車窓から目にするくらいのもので、まともに紅葉狩りなどやった記憶は無い。) このヤマモミジと同じく、ハウチワカエデやイロハカエデなどのもみじが庭園や公園に植栽されているのをよく見かけるし、和風な空間にはつきものとも言えるほど定番のアイテムだ。とっておきの楽しみがある。鮮やかに色づいた葉を落ちる前に枝から集め、それ以上乾燥しな