年末までに何度も続いた大雪でしたが、年が明けてからは困るほどの吹雪もなく、振り返ってみるとどちらかといえば穏やかな冬だったような気がします。しかし、その印象のワリには雪解けのスピードが遅く、例年なら、お天気の良い昼間は雪解け水が小さい音を立てて流れ、路面はベチャベチャなこの時期ですが、まだ写真のような状況です。札幌の根雪の終日は4月4日だそうです。しかし工房のある南区の山中では都心部よりも気温が低く、その根雪が無くなるのも2週間ほど遅れます。ゴールデンウィーク頃にはわずかに残った日陰の雪を利用してビールを冷やせますが、サクラが散る5月の半ばには視界からその白さが消えてしまいます。それまであと2ヶ月ですか。それでも日は長くなり、陽光にも力強さが戻って雪面に春らしさが照りかえっています。もう少し、もう少しで春のステージが始まります。
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2、22
6年前の2月22日、ニュージーランド南島のクライストチャーチ周辺で地震が発生し、ビルの倒壊などで185人が死亡。なかでも語学研修中だった日本人の若者28人が生き埋めになって亡くなった記憶は、今でもそれほど古さを感じさせない。 その半月後に日本で起きた3、11東日本大震災の桁違いの被害から較べると、いっぺんにニュース性が失せてしまったのも仕方ないが、それでも現地では未だに残るダメージを克服する努力が続いている。コンテナを積み上げた仮説の店舗群<Re-Start(再出発)>に集まる人達の頭上に、今や失望の雲がたれ込めてはいない。強くなければ生きて行けない。 優しくなければ生きる資格がない。という言葉を思い出す。
線から面
この薄ぼんやりした曲線が何なのか。分っかんないでしょうねえ。実はいま作ってる新しいカヤックの、まあ、断面図といったところでしょうか。 この線を眺めてフネのかたちが判る人とは吞み明かせるかもしれません。 ハルデザインにグリーンランドタイプのエッセンスを持たせました。出来上がったら、艇長5,5M、幅52Cmの細くて長いツーリング艇になるはずです。 で、この線をもとに切り出した板を、実際の寸法で骨組みのように並べてみたのがこの写真。 それでもまだよく判らないでしょうが、じっと全体を眺めているとだんだん仕上がった姿が見えてくるんです。音もなく水を切り裂いて滑っていくその様子まで。いやいや、完成はいつのことやらさっぱり見当が付きませんけどね。