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マウントクックの風

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アオラキ=マウントクックは今回も青空のもとで秀麗な姿を見せてくれた。<マウントクックの風>という表題と、画像の澄み渡った景観からは、爽やかで気持ち良いそよ風を連想される方が多いだろう。いや、この画像が撮られた時はまさにそうだったのだが・・。登山口にある200台ほどのキャンパーが泊まれるキャンプ場がこの日の宿泊予定地だった。夕食を済ませ、氷河の氷でオンザロックを楽しみ、みんなが寝静まった夜半にとつぜん状況が変わった。 4トンロングのトラックほどあるキャンパーが、まるでゴジラにでも蹴飛ばされたようなド〜ンという衝撃とともに大きく揺れた。屋根や窓に当たる石つぶてのバラバラバラという弾ける音で、それが強風の仕業だと判る。 高度差2千メートルほどの、氷河を戴く山々に囲まれたキャンプ指定地だ。はるか山上の氷や砂利を、吹き下ろす強風がここまで運んで叩きつけるというのか。強風と石つぶては、朝になって周囲が明るくなるまで不規則なリズムで間断なく続いた。モーターホームでさえこれだけの衝撃なのだから、テントで寝ているソロキャンパーがどれだけ怖い思いをしたのか想像に難くない。朝を待ちきれずに薄明かりの中、テン

世界的有名吊下乳帯

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世界有数のリゾートたるクイーンズタウンの周辺には、街を囲むようにコロネットピーク、リマーカブルズ、カードローナ、トレブルコーンなどのスキーリゾートが点在する。そのうち、クイーンズタウンとワナカの中程に位置するカードローナスキー場を通過したとき・・、同乗のみんなを唖然とさせるその光景がとつぜん現れた。<ワールド フェイマス ハンギング ブラジャー>とでも云おうか。この画像は道路側から始まったほんの一部で、これから左側に延々と見えなくなるほどのびる牧柵に、何千というブラジャーが縛り付けられている。多くは風雨に打たれて色褪せているが、なかには艶かしくも鮮やかなピンクや薄紫の高級そうなものも揺れている。いつ、誰がはじめたものだろう。そしてこれに何かの意味が込められているのだろうか? 心やからだを縛り付ける諸々のしがらみから自らを解き放つ行為として、多くの女性が共感できることなのか?ここには見えないずっと左手の看板には、CARDRONAをもじってWell Come To BRADRONAと書いてあった。

ZENKURO

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興味をひかれる情報がクイーンズタウンにあった。 ニュージーランド産の日本酒があるという。 しかも作っているのは日本酒の好きなニュージーランド人。氷河を戴く山々から滲み出してくるこの地の水に惚れ込んだ3人の男が、一人の日本人を加えてこのクイーンズタウンで酒造メーカーを立ち上げたらしい。 その名もZENKURO(全黒)。 一瞬の?のあとすぐに判った。 そうかニュージーだもの、世界最強のラグビーチーム<オールブラックス>を日本語に直訳したな!この国では、ビールやワインはどこのスーパーでもフツーに売っているが、それ以外の酒を買おうとするとリカーショップを探さなければならない。日本酒のアルコール度数なんてワインと同じようなものなのにと思うが、まあ決まりだから仕方ない。前もって調べたリカーショップを見つけ、ウインドウの奥に並んでいるのを二本ほどゲット。 オークランドやクライストチャーチなどの高級ホテルの他には、この街の数軒のレストランと限られたリカーショップでしかお目にかかれないという。後日、キャンパーでの食事の際、雫搾り(Sizuku Drop)という1本をみんなで味見。 「う〜ん、あっさりして

ミルフォードサウンド

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ダニーデンの南、ワイホウラ湖畔を翌朝出発した時にはまだ小雨模様だったが、進路を西に変えたあたりから雨も上がり、果てしなく続く羊の放牧場を突っ切っての快適なドライブになった。 まわりの景色に見とれる余り、分岐点を見落としてすっかり行き過ぎる失態もあったが、なんとか予定通りテアナウの町に着き、その夜のツチボタル見学ツアーの予約を取ることができた。天気予報はこの先数日の晴天を保証している。明日からの3日間はこの旅のハイライトを満喫できそうだ。 翌日は、数千メートルも氷河によって削られたミルフォードサウンドを双胴のクルーズ船で見物し、 天上の絶景、キーサミットを目指してルートバーントラックを歩き、6人を乗せたキャンパーは、さらにクイーンズタウン経由でマウントクックへと向かう。

モエラキの丸い巨岩

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成田空港。出発前の待ち時間。パソコンでニュージーランド気象庁のホームページを検索して、これから天気が崩れるのは判っていた。 オークランド国際空港に着いた時は曇り空。 そこから国内線に乗り換えてクライストチャーチへ向かうが、いったん離陸した機体は厚い雲の上を南下するので、美しいはずの下界はまったく見えず。その雲を突き破ってクライストチャーチに降り立っても、まだ雨がさしせまっている気配は無い。ぽつりぽつりと重い空から天の水が落ち始めたのは、この旅の足になる6人用キャンパーを借り受け、スーパーで買い物を済ませて、期待を胸に国道1号線を南に進み始めた頃だ。1時間ほどハイウェイを走り、1日目の宿泊を予約していたアシュバートンのホリディパーク(=ニュージーランドでは一般的なキャンプ場の呼称)に到着した頃には、すっかりしのつく雨に変わっていた。シャワーを浴び、食事を済ませた後で、全員参加で明日以降の行程に付いての作戦会議。 決まったルートや束縛されるような予約がいっさい無い旅だ、せっかくなら雨を避けて気持ち良く旅したい。おおまかに予定を立てていた、テカポ湖を経由してマウントクックに至るルートを大幅に