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始めた時、終える時 ⑴

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諸般の事情からスノーシューの製作を終えることにした。想い返せば、現在につながるアルミフレームのスノーシューがこの国に上陸したのは1990年代初め頃だったと思う。 それまで主にアメリカ東北部で、蒸し曲げたアッシュ材のフレームに革ひもを張った、スノーラケットとも呼ばれるトラディショナルなスノーシューを作っていたTubbs社が、木ではなくアルミ合金を使ったフレームで、量産タイプのスノーシューを世に送り出したのは1970年代。 我が国においても、民具としてよく知られるカンジキが各地の多雪域で発達し、その中から比較的コンパクトで丈夫な立山地方の通称<芦峅(あしくら)>が登山用具として利用され、やがてほぼ同じサイズと機能のアルミカンジキが登場した。 北海道の冬山ではスキーが多用されることから、ブレーカブルクラストなどの条件にアイゼンと組んで使われることはあっても、終止カンジキを使って行動するのは測量や伐採等で山仕事をする人達に限られていた。北米で始まった新素材のスノーシューは、徐々に改良されるビンディングによるホールド性能の向上と足の自由な動き、それに小型化による軽快さで、それまでその道具が持っ