年別アーカイブ: 2016

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NZの風

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ニュージーランドの風をたくさん受けて帰ってきました。秋色に染まる湖畔を撫でてゆくやわらかな風。 枯れ野に群れなす羊たちを牧柵の隅に追い立てる冷たい風。 クジラやイルカたちとひと時を過ごした船を包む暖かい潮風。 氷河の上に降り立った時のヘリコプターの猛烈な風。 タスマン海からミルフォードサウンドに吹き込む重たい風。そして、画像は吹き下ろしを受けながらマウントクックに向うトレッキングルート。ありがとうニュージー。ありがとうKiwi.

帰ってきたホオジロ君

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昨年の春から夏にかけて工房の周辺で過ごしていたホオジロが今年もまた戻ってきました。 昨年の7月25日に記した、ナルシストのオスです。 暖かい地方では、冬の渡りをしない留鳥として過ごすらしいのですが、北海道で越冬はできません。それほど長距離の移動ではないものの、東シナ海周辺くらいまでは南下するようです。餌台などに群がる小鳥をジ〜〜ツと観察していると、その行動パターンやお気に入りのポジショニングなどから個体識別できることがたまにありますが、このホオジロの場合は一目瞭然、去年とまったく同じ特異な行動からすぐに確信がもてます。窓の外に停めたキャンパーのバックミラー、それも運転席側のドアミラーではなく、助手席側に張り出した大きい鏡にご執着。 一日に何度も来ては鏡の中の自分を見つめています。ときどきは威嚇の態度のようにも見えることがあるので、もしかしたら自分以外のけしからんヤツと思っているのかも。 そうですね。じきに繁殖期を迎えます。そうすれば、ピーチュリピーとあの美声を響かせてくれることでしょう。

バキュームインフュージョン

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怪しい研究室のベッドの上に寝かされた人造人間には、無数のチューブがつながれ・・。子供の頃に見た漫画に出てくる、悪い天才博士が死体に命を吹き込むシーンはいつもそんなカットで始まったように思います。四半世紀以上もカヤックを作ってきて、より高い完成度は自分の手と目が作り出すと信じてはいたのですが、作り手が一人だけではない状況と製品のさらなるグレードアップのために、画像のようなバキュームインフュージョン工法を採用することにしました。 こんなふうにして作り出されるFRP製品は、余分な樹脂を吸い出されて対重量比でこれまでよりも強度の高い製品になっていきます。

北海道新幹線開業

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今日が北海道新幹線の開業日だということは、ずいぶん前から伝わってきていた。 歴史的なイベントとして、だんだんとうねりは大きくなり、このところの盛り上がり様はとまどうばかり。そしてその大波が今日、函館の地にくずおれ覆い被さった。今日の新聞各紙はまるで元旦だ。特集、協賛、広告、便乗チラシでずっしり重い。東京まで4時間以上もかかる上に飛行機よりも高い乗車賃などと突き放すつもりは毛頭無い。鉄道マンをはじめ、多くの道民の悲願として、北の地から南に向けた顔のその先にずっと光り続けてきたことを知っている。ずっとむかし、40年以上もむかし、はるかに若かった頃、青函トンネルの工事に加わり地中奥深くで汗していたことがある。炭坑夫のようにヘッドランプと飯盒の弁当を持ち、金網のエレベーターに乗って竪坑を下りる。それまでに長い間かかって掘り進められた作業用のトンネルの、暗闇の支配するその先へ向って、人車(ジンシャ)と呼ばれるトロッコが進んで行く。 海面下140M、さらに地底100Mの空間は、猛烈な湿度と冬でも30度を超す地熱で蒸し風呂のような世界だった。コンクリートで固められながらゆっくり進んでくる本坑の前方に

春は遠のき

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満開の河津桜がニュース画面に満ちていたのはもうひと月も前になるでしょうか。この特異な品種の桜を各メデイアがこぞって取り上げるのは、話題性こそがいのちのニュース番組としては仕方のないことではあります。 しかし今日のニュースでは、本物の桜前線が東京に達し、皇居の乾門の桜を見物する人達の静かな歩みが流されていました。やわらかな春が本州方面を浸しているようです。何気なく視線を表に向けると、これが今日の工房の景色。除雪機を出そうか思案を強いられる15cmの湿り雪。大雪ではないのですが、このところ毎日の降雪です。毎年のことではあるのです。よ〜く分かってはいるのですが、それでもやっぱり春待つ心はじれったい。往きつ戻りつの春の気配は、まるで思わせぶりなオンナの流し目のようです。