年別アーカイブ: 2016

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カイコウラ

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2011年2月22日、ニュージーランドのクライストチャーチを襲った地震の記憶があるだろうか。語学学校に通っていた28人の日本人が、ビル崩落によって亡くなったといえば思い出す人も多いはず。 その犠牲者の弔いが済まない翌3月11日、日本では東日本大震災が発生し、甚大な被害を引き起こした大津波に加え、3基の原発がメルトダウンするなど、海外のニュースが伝えられる隙間など全く無かったのも事実。それから5年が経った今年の春、訪れたガーデンシテイーの名を持つクライストチャーチは、草花こそ美しく咲いて迎えてくれたが、街のシンボルでもある崩落した大聖堂をはじめ、惨禍の傷痕が市街のあちこちにたくさん残っていた、 しかし、この街の人達のはっきりとした、それでいて力みの無い、暮らしの再建に向けた確かな歩みは、何の力にもなれない自分にも心から応援したい気持ちにさせてくれた。 使い物にならなくなった大きなビルはあちこちで解体され立て替えが進んでいたし、壊滅した商店街はコンテナの仮設店舗を連ね<Re START>(再出発)というモールとなって賑わっていた。その後も数えきれない余震に耐えていたニュージーランド南島が、

俯き人/ウツムキジン

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先日、めったに乗ることがない地下鉄に乗って、あのおぞましい記憶が戻ってきた。そう、あれは4年ほど前に所用で東京へ行ったおり、地下鉄、私鉄、国電(古いな、今はJRか)に10回以上も乗った時のこと。ラッシュ時間ではなく比較的すいた昼間だったからだろうが、各車輛ともドアのわき以外に立っている人も少なく、ふだん座る習慣がない人でも空いたスペースを無視しているのが不自然でつい腰を下ろしてしまう、そんな感じで座席の定員より少し多いくらいの乗客だった。 異様さを感じたのは両側のシートにずらりと並んだ人を見た時だ。前も横もその先も、全員がうつむいてスマホに目を落としているではないか。まるでゾンビ映画の1シーンにでも迷い込んだようだった。あたりを見回しているのは自分だけ。この大勢の乗客の誰とも視線を合わせることがない。 「異常だ!ぜったいヤバイ。こいつらみんなケータイに生気を吸い取られてる。」そんな光景は札幌の地下鉄でも同じだった。ゲームに入り込んでいるようであたりに気を配ることもないのだが、アナウンスが終わりドアの開くプシューという音に反応しておもむろに立ち上がる若者。このツールの中に私の全てがあると

スーパームーン

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今日(11月14日)の月をスーパームーンというそうです。 何がスーパーなのかというと、地球との距離が近くなってこれまでになく大きく見えるのだそう。なんでも68年ぶりだとか。ということは、私を含めてほとんどの人が生まれて初めて見る大きな月ということになりますね。 楕円軌道で周回している月との距離が変わるのは分かりますが、今年4月頃の遠かった頃と較べると30%も大きいらしいのです。写真は昨夕6時ころの月ですが、特に変わったふうでもなく、夜空をさらに冷え冷えとさせるいつもと同じ月でした。ただ、そのつもりで画像を見れば、向って左側の輪郭がやや霞んでいて、満月の少し前だということが分かります。 対比することができないので、春の月との差が判りませんが、眩しいくらいに輝いていることは事実です。今夜もし晴れてくれたら、その大きさと明るさをしっかり目に焼きつけたいと思います。

こりゃ根雪かな?

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夜半から明け方にかけての吹雪は、11月に入ったばかりというのに40センチを越える積雪を置いて去りました。 自宅の周りの除雪を手早く済ませて出勤。 時期が早すぎてまだ体勢が整わず除雪が入っていない道路をやっと工房にたどり着くと、40センチどころか膝まで没する真冬のような状況です。 あちこちで雪折れした大木が道路道路を塞いでいます。 地面に押さえ付けられないまでも、まだ葉を落としていないクリやミズナラ、それにエンジュやアカシアのようなマメ科の木は、雪にまとわれつかれて路上に大きくしなだれかかり、フロントガラスに被さります。 写真は工房に置いていたキャンパーですが、これを見てベース車両が判る人はかなりのクルマニアでしょう。 この雪の除雪は手作業では絶対に不可能。除雪機を急遽引っ張り出し、格闘すること数時間。手はしびれ、上半身は汗びっしょりになって、やれやれやっと何とか済ませました。何年か前にも、遅い初雪が今回と同じくらいの積雪になり、結局そのまま融けることなく根雪になったことがありました。 根雪の定義としては、雪積状態が30日以上続き、もしその後に暖気で融けたとしても10日以内

冬支度 覚え

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18日の朝、いつもの通勤ルートの街路樹がこのうえなく鮮やかだったのです。真紅とオレンジと黄金色が快晴の空に負けじと輝いていました。19日。「昨日はカメラを持ってなかったから今日こそは」と期待したのに、木枯らしのせいでハラハラと葉を落としはじめ、たった一日だというのにその見事な紅葉も心なしかくすんで見えて、レンズを向ける気になれませんでした。20日は夕方からしのつく雨でした。そろそろ寝ようかと窓の外を見ると、さっきまでの雨粒が白いものに。そして翌21日、朝目覚めると一面の銀世界。毎年かならずこの時期にやってくる光景ではあるのです。でも今年はちょっと早めでした。そして、これもまた毎年のことですが、この白いヤツは北国の生活者を一気に焦らせるのです。「とりあえずクルマのタイヤを交換しないと、この雪道は夏タイヤじゃ走れない。あ〜あ、やっぱり先週やっときゃ良かったなあ。ワイパーも冬用に換えないと。そうそうスノーブラシとスクレーパーはどこだっけ?家庭菜園のキュウリやトマトは一昨日片付けたからOKだけど、鉢植えの花が雪だらけだよ。」冬を受け入れるための雑事に追われながら、童話の<アリとキリギリス>を思