
民主党が日和った。形勢の好転を望めないまま近づく選挙に、少しでもマイナス要因を減らすべく、なりふり構わず迎合のポーズをとりはじめた。 世論の高まりを無視できないとして、これまで「2050年代に原発0を目指す」としていたものを、「2030年代」と言い換え、「高速増殖炉もんじゅ」の廃止も付け加えた。本来であれば両方ともこの国の将来を決定付けることになり、国民的議論の必要な大問題なのだが、どちらにしても、もともと確たるポリシーやビジョンがあってのものでは無いのが判っているから、新聞をはじめ各メディアも大きく取り上げはしない。 「大飯3・4号機の稼働がなければ国民の集団自殺だ」とまで言ったこの政権は、原発なしでもこの夏を乗り越えられた数字に、自ら評価を加えることをしない。加えて、その算定の根拠を明確にしないまま、「原発0なら料金が2倍に」と危機を煽る。達成目標を掲げないまま原発0を語るのもおかしな話だし、廃炉のプロセスさえ未知の世界なのだ。運転停止から仮に60年といわれる廃炉までの時間を考えれば、2030年代に運転を止めたとしても、完全な廃炉は22世紀に掛かってしまう。 世界中が見切りをつけた